10月15日、パリ五輪の出場権を懸けた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が行なわれ、男子優勝は小山直城(Honda)が掴み、初のオリンピック出場権を手に入れた。
冷たい雨が降りしきるなか、午前8時に一発勝負の号砲が鳴った。スタート直後から36歳のベテラン川内優輝(AD損保)がひとり飛び出し、序盤から独壇場でレースを支配した。
勝負を分けたのは35キロ過ぎ。大迫傑(Nike)、赤﨑暁(九電工)、小山など後続集団が、ついに先頭の川内を捉え、7人集団となってゴールの国立競技場を目指した。小山は「集団の力を利用してレースを進めようと思っていたので、あまり反応せずレースを進められた」と振り返り、ここぞのチャンスを虎視眈々と狙っていた。
お互い牽制し合うなか、ラスト3キロで初出場の27歳がスパートをかけた。「自分が仕掛けた3キロで集団の動きが鈍くなったので、そこでいけると思った」と手応えは十分だった。集団から一歩抜け出すと、小山はスピードを上げて後続をぐんぐん突き放していった。
完全にトップで抜け出すと、「残り2キロで後ろとの差が10秒ぐらいのときに(優勝を)確信した」と語り、弾むように首位で国立競技場に戻ってきた。ゴール前では熱烈な応援を送る高校時代からの同期の姿を確認すると、笑顔が弾け、そのままゴールテープを切った。
一発勝負の選考レースで見せた冷静な戦術眼が、パリ五輪切符を見事に手繰り寄せた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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冷たい雨が降りしきるなか、午前8時に一発勝負の号砲が鳴った。スタート直後から36歳のベテラン川内優輝(AD損保)がひとり飛び出し、序盤から独壇場でレースを支配した。
勝負を分けたのは35キロ過ぎ。大迫傑(Nike)、赤﨑暁(九電工)、小山など後続集団が、ついに先頭の川内を捉え、7人集団となってゴールの国立競技場を目指した。小山は「集団の力を利用してレースを進めようと思っていたので、あまり反応せずレースを進められた」と振り返り、ここぞのチャンスを虎視眈々と狙っていた。
お互い牽制し合うなか、ラスト3キロで初出場の27歳がスパートをかけた。「自分が仕掛けた3キロで集団の動きが鈍くなったので、そこでいけると思った」と手応えは十分だった。集団から一歩抜け出すと、小山はスピードを上げて後続をぐんぐん突き放していった。
完全にトップで抜け出すと、「残り2キロで後ろとの差が10秒ぐらいのときに(優勝を)確信した」と語り、弾むように首位で国立競技場に戻ってきた。ゴール前では熱烈な応援を送る高校時代からの同期の姿を確認すると、笑顔が弾け、そのままゴールテープを切った。
一発勝負の選考レースで見せた冷静な戦術眼が、パリ五輪切符を見事に手繰り寄せた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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