パリ五輪のマラソン日本代表選考レース『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』が東京・国立競技場発着で開催され、東京五輪6位入賞の大迫傑(Nike)は2時間9分11秒の3位で、惜しくも五輪切符を逃した。
前半は川内優輝(AD損保)が大逃げを仕掛けた。2位集団は牽制し合う形で進んだため、なかなか差を詰められず後半戦に入った。ベテランの走りに待ったをかけたのは大迫だった。29キロ過ぎに自ら先頭に立ちペースアップ。先頭は交互に変わったが、35キロ過ぎに川内の背中を7人が捉えた。
徐々に人数は絞られると、39キロ手前で小山直城(Honda)がロングスパート。これに誰もいけず、大迫は赤﨑暁(九電工)、川内と共に2番手争いをすることになった。続いて赤﨑が上り坂を利用し、40キロ付近でスパートを仕掛けた。大迫は引き離されないように懸命に腕を振ったが、最後まで追いつくことが出来ず、赤﨑から5秒遅れてゴールした。
4年前と同じく次点の3位に終わった32歳は、「また前回と同じように一歩及ばず。ただ常にその位置であるのは僕自身の強さでもあると思うので、それはひとつ証明できたかなと思います」とレース後、複雑な心境を口にした。
29キロ過ぎの行動には「誰かが追うだろうとは思っていたんですけど。多分みんな僕のことを待っていたと思う。僕の後ろ集団すごかったですよね? そうやってマークされることは、それだけ安定した力を残しているとポジティブに捉えていきたい」と自信を示しながらも、結果に対しては悔しさを滲ませた。
「やっぱり国際大会でも3番とかが多い。殻を破るにはどうしたらいいか、また引き続き課題として持たなきゃいけないと感じました」
一発選考に敗れたプロランナーは、「まずはしっかり休養を取って、リカバリーしてからコーチと相談してファイナルチャレンジに出るかどうか決断したい」と次の目標は保留とした。
取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)
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徐々に人数は絞られると、39キロ手前で小山直城(Honda)がロングスパート。これに誰もいけず、大迫は赤﨑暁(九電工)、川内と共に2番手争いをすることになった。続いて赤﨑が上り坂を利用し、40キロ付近でスパートを仕掛けた。大迫は引き離されないように懸命に腕を振ったが、最後まで追いつくことが出来ず、赤﨑から5秒遅れてゴールした。
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