韓国が誇る美女ゴルファーが残した軌跡が、あらためて脚光を浴びている。

　10月22日、国内女子ゴルフツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は23歳の菅沼菜々が逃げ切り、ツアー２勝目を挙げた。今大会で日本ツアーから引退を表明しているイ・ボミは２日目で予選落ちを喫したが、ラウンド後には引退セレモニーを開催。最終日には引退スピーチを行ない、日本のファンに別れを告げた。
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　セレモニーやスピーチなど、最も日本に愛された韓国人ゴルファーの雄姿には母国メディアも熱い視線を注いだ。韓国のニュース経済サイト『Edaily』は「ボミちゃん、アリガトウ」と日本語で表現した見出しで、日本ツアー活動に終止符が打たれたと配信した。

　同メディアのチュ・ヨンロ記者は「13年間の日本女子プロゴルフ(JLPGA)ツアー活動を終えるイ・ボミが最後のパットを打つためにボールへ足を踏み出した瞬間、観客席から大きな歓声が響き渡った。 その後、あちこちから『ありがとう』という声が飛び交った」と伝え、異例な光景だったと振り返っている。
  　続けて、「ファンは最後の最後に熱い涙と喜びの拍手で応えた。１番ホールのスタートから18番ホールが終わるまで、数百人のギャラリーがイ・ボミのプレーを追いかけ、最後の瞬間を共にした」と、35歳の韓国人ゴルファーが多くのギャラリーを引き連れていたと指摘。

　昼過ぎから雨が降り出したが、ファンは気にすることなく彼女の一挙手一投足を見守ったことを付け加え、「数百人のファンがゴルフ場を離れることなくイ・ボミの帰りを待っていた。日が暮れ、雨で肌寒くなったが、彼女のサインをもらうために長蛇の列ができていた」と日本でのボミちゃん人気に驚きを隠せなかった。

　2011年から参戦した日本ツアーで実に298大会に出場し、21勝をマークしたイ・ボミ。最初の賞金女王になった2015年には衝撃的な記録を樹立した。

　シーズン７勝を挙げ、女子で初めて年間２億円プレーヤーに輝くと、翌年も安定感抜群のプレーで２度目の賞金女王に君臨。来日前年の2010年には韓国女子ツアーの賞金女王になっており、日本と韓国の両ツアーで頂点に立った史上初の選手となった。

　日本で幾多の金字塔を打ち立てた彼女に、チュ・ヨンロ記者は「イ・ボミは成績だけでなく、なにより韓国人選手に対する偏見を打ち破り、日本で最も成功した選手として成長し、韓国と日本の関係改善にも少なからず貢献した」とゴルフ以外での功績を高く評価。「日本の報道によると、イ・ボミが残した功績にJLPGAと日本のプロスポーツ界は年末に特別功労賞の授与を検討しているという。受賞が決定すれば、彼女は外国人選手としては初めて特別功労賞を受けることになる」と言及。新たな勲章に期待を寄せている。

　日本でのラストツアーを終えたイ・ボミは、「また試合に出たいと思っている」とも話しており、「ありがとうというファンの声援で、最後まで楽しくプレーできました」と引退試合の感想を述べ、13年間の日本生活に感謝を示した。

構成●THE DIGEST編集部

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