力強いKO宣言が飛び出すも、警戒心をにじませた。

　10月25日、ボクシングのWBC・WBO世界スーパー・バンタム級王者の井上尚弥（大橋）が12月26日に東京・有明アリーナでWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス（フィリピン）との４団体統一王座戦を開催すると正式発表した。
【PHOTO】ビッグマッチへ気合十分！マーロン・タパレスとの４団体統一戦実施発表会見に臨んだ井上尚弥！

　７月にスティーブン・フルトン（米国）を衝撃のTKOでリングに沈めて、２団体王者に君臨した井上。試合後、間近でモンスターの勝利を見届けたタパレスがリングに上がり、両者は対戦を熱望。わずか５か月という異例のスピードでビッグマッチは成立した。

　偉業を成し遂げた日本人ボクサーは「あの試合に勝った安心感と、そこですぐにタパレスがリングに上がってきて次戦が約束された瞬間というのは気の抜けない感覚だった」と振り返りつつ、「この試合が２階級４団体統一がかかる試合。圧倒的な強さを見せて勝ちたい」と語気を強め、ファンが最も期待する「KO決着」を約束した。
  　対戦するタパレスの印象については「そんなに試合を見たことはなかった」と明かしたうえで、「ゴリゴリのファイターよりのファイター」と勇猛果敢なボクサーだと例えた。

　ところが念願のタイトルマッチが決まり、あらためてタパレスの試合映像を見返すと「印象はすごく変わった。状態の柔らかさ、ディフェンスの良さ。思った以上に技術の高い選手」と警戒を強めている。

　愛弟子の意見に、会見に同席した所属ジムの大橋秀行会長も「尚弥と一緒で、だいぶ印象が変わった」と同調。「昔と今のタパレスはまったくの別人。今は強くなって、すごくうまくなっている」と侮れない相手だと強調した。

　タパレスはこの日の記者会見は出席しなかったが、彼の代わりに契約する『MPプロモーションズ』のショーン・ギボンズ社長が登壇。同社長は「タパレスは日本では全勝しており、WBO世界バンタム級王者時代も日本で勝っている。日本での試合は得意だ」と自信をのぞかせた。さらに、「タパレスはテクニックもあり、ガードもしっかりしている。フィリピン人初の４団体統一に闘志を燃やしていて、勝つために来る。本当にハングリーだ」と不気味なコメントを残した。

　急成長を見せるフィリピン人ボクサー相手に、日本が誇るモンスターはどんなボクシングを見せるのか。世紀の一戦は、すでに見えない火花を散らしている。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

【関連記事】井上尚弥、タパレスとスーパー・バンタム級４団体王座統一戦が12.26に正式決定！ フルトンを葬った有明アリーナで「完璧な状態に仕上げる！」

【関連記事】「KO決着を見せる」井上尚弥が豪語!! タパレスとの４団体統一戦は「圧倒的な強さを見せて勝つ」と自信！

【関連記事】「モンスター伝説の新たなる始まり」井上尚弥の２階級４団体統一王座に大橋会長が太鼓判！ 「歴史的な一戦になる」と強調