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格闘技・プロレス

井上尚弥の目の色が変わった瞬間。史上2人目の偉業、2階級での4団体統一王者へ「日本人のたどり着けない位置まで行く」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.10.25

タパレスと4団体統一戦に臨む井上。日本人ボクサーが誰も到達したことのない高みを目指している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

タパレスと4団体統一戦に臨む井上。日本人ボクサーが誰も到達したことのない高みを目指している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 まだ見ぬ景色へ――。日本人ボクサーが決意をにじませた。

 ボクシングのWBC・WBO世界スーパー・バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が10月25日に記者会見を開き、WBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一王座戦を開催すると正式発表した。
【PHOTO】ビッグマッチへ気合十分!マーロン・タパレスとの4団体統一戦実施発表会見に臨んだ井上尚弥!

 世紀の一戦は12月26日。場所はスーパー・バンタム級転向の初陣でスティーブン・フルトン(米国)を8回TKOで葬った相性の良い東京・有明アリーナだ。井上は「圧倒的な強さを見せて勝ちたい」と語気を強め、ファンが最も期待する「KO決着」での勝利を宣言した。

 所属ジムの大橋秀行会長は「試合をやるたびに最近は歴史的な一戦になる感じだが、今回はモンスター伝説の新たなる始まりになる」とコメント。日本人初の2階級での4団体統一王者に太鼓判を押した。
 
 今回のタイトルマッチは前回のフルトン戦に引き続き、ドコモの映像配信サービス「Lemino(レミノ)」で独占無料生配信される。井上は「(ネット)配信の時代で、日本のマーケットがあるからフルトン戦にしても今回も実現した。そういう時代の波に乗れているのかなと思う」と私見を述べつつ、「ボクシング人気も10、20年と続いていければ。自分がいま、最高の結果を出していかないといけない」とも語り、日本人ボクサーを牽引する先駆者としての自覚を示す。

 だからこそ、井上は『結果』を出すことに強い拘りを見せている。記者団から2階級での4団体統一戦の価値について問われると、目の色が変わる。「世界における偉業だと思っている。史上2人目。その先、日本人がたどり着けない位置まで行きたいなと思っているので、絶対に結果を出したい」と、あらためて強い決意を誓う。

「今回も記録ありきの試合ではなく、本当に強い相手と戦って勝ちたいという思いで、それを証明するのが4団体のベルト。記録を前面に押し出して戦うのではなく、自分がどこまで強くなれるのかを追い求めていきたい」

 チャンピオンとしてファンを納得させる試合を見せたうえで、結果が出た次にベルトがついてくる。口調は静かに語るも、視線の先は鋭くはっきりとした目標を掲げていた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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