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ブラジルGPで早期敗退を喫した角田裕毅。“走行妨害“ハミルトンに「かなり気を取られた」と非難も、専門メディアは「お馴染みの愚痴」と辛辣

THE DIGEST編集部

2023.11.05

ブラジルGPでQ2進出を逃した角田。厳しい結果に海外メディアからも辛辣な意見が寄せられた。(C)Getty Images

 F1第20戦のブラジル・グランプリが開幕。11月3日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は僅差でQ2進出を逃し、16番手に終わった。
【画像】ハミルトンが角田裕毅の進路を妨害した!? 疑惑の一部始終

 先週のメキシコGPでは失意の結末を迎え、心機一転で臨んだアメリカ3連戦の最終戦。フリー走行で29周回を重ねて全体13番手となる1分12秒714のベストタイムを計測した角田だったが、迎えた予選Q1では1分10秒837のタイムを計時。15番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)にわずか0.044秒届かず、第11戦ハンガリーGP以来となる早期敗退を喫することとなった。

 Q1をトップ通過したジョージ・ラッセル(メルセデス)とのタイム差は0.497秒で、F1公式サイト『F1.com』によれば、2006年に現在の予選方式が導入されて以来、同ラウンドにおいて1番手と16番手のタイム差が「最も小さかった」とのことで、まさに紙一重の差での脱落といっても過言ではない。

 そんな角田のレース中に思わぬアクシデントが起きた。最終アタック後、日本人ドライバーはチームの無線を通して、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の名前を連呼。彼に予選を妨害されたことを主張したのだ。
 
 テレビ映像では、ピットレーンであわやガスリーと接触という場面が流されたことで、メディアもファンも混乱。角田の見間違えも疑われたが、彼が訴えたのは最終アタックを開始した際、前方でアタックを終えて速度を落としたハミルトンが微妙な位置におり、これによって「走行に悪影響を及ぼした」ということだと思われる。

 車載カメラの映像では、スピード差もあってターン1の入り口で両者が急速に接近してはいるが、ハミルトンがあからさまに妨害しているようには見えない。また角田はセクター1では自身のベストタイムを更新していただけに、何とも判断が難しいところ。複数メディアは、この件で角田がハミルトンにペナルティーが科せられることを主張したと報じているものの、実際は審議にも至っていない。

 初日を終えた角田はチームのプレスリリース等を通し、「今日はパッケージからパフォーマンスを最大限に引き出せなかったと感じています。最終ラップでクリーンエアを得られず、タイムに影響が出ました」と反省の弁を述べた。

 続けて、「今日のペースはいまいちだったので、何が起きたのかを振り返り、どう改善するかを検討する必要があります。セットアップが大幅に変更できないため、今後は車から最大限のパフォーマンスを引き出すことが求められます。可能な限り、改善に向けて最善を尽くします」と振り返っている。
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ハミルトンに「気を取られた」と語るも「Q2で敗退していたかも」