反逆のカリスマが、現代の日本格闘界に一石を投じた。
現地11月4日、アゼルバイジャンで開催された格闘技イベント『RIZIN LANDMARK 7』で鈴木千裕がRIZINフェザー級王者のヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)を下からのパンチ連打で失神させる衝撃的なKO勝ちを収め、新チャンピオンに輝いた。
【動画】魔裟斗が「不良が輝く格闘技界」に苦言(11分20秒~)
24歳の新王者は試合後、強敵から奪取したチャンピオンベルトに胸を弾ませ笑顔を見せていた。だが今後の展望を問われたとき、鈴木の目の色が変わる。「日本の格闘技は不良の人とか、ヤンキーとかが輝く時代になってしまった」と発言。「そういう人たちが表舞台に出て格闘技の質を下げちゃってる」とも嘆いた。
続けて、「本物が格闘技をちゃんとやって、遊びも一切断ち切って格闘技を真面目にやっている人が報われる業界を作りたい」とも発信。いち格闘家として、日本の格闘界が置かれている現状に危機感を抱いた。
これに反応したのが、元K-1ファイターの魔裟斗氏だ。同氏は"反逆のカリスマ"のニックネームで2000年代の「K-1 WORLD MAX」の牽引者として活躍。歯に衣着せぬ発言と、スピードとテクニックを生かしたファイトスタイルでファンを魅了。2003年に日本人初の世界王者に君臨し、08年にも2度目の世界制覇を成し遂げた。まさに日本の格闘界を代表するファイターで、翌年の12月31日に惜しまれつつも現役引退を発表した。
そんな同氏は11月5日に自身のYouTubeチャンネル『魔裟斗チャンネル』を更新。鈴木の発言を受けて、「格闘技の未来がなくなる。すそ野がしぼんじゃう」と同調を示した。
魔裟斗氏は「俺とかが格闘技をスポーツに持っていってすそ野を広げたのに、不良のヤンチャなものになってしまうと、親は子どもにやらせたくないからね。そうすると(すそ野が)小さなパイになっていって10年後、20年後(格闘技)人口が減っちゃうんじゃない。親はやらせないでしょ」と自身の現役時代を交えながら、近年の日本の格闘界が不良たちの力を誇示するようなジャンルに成り下がってしまっていると論じる。
自身も「ヤンチャな頃はあった」と認めつつも、「途中から自分のなかでアスリートに変わっていった」と断言。「K-1という舞台はあったけど、自分のなかでアスリートの舞台だと思ってやっていた。それなりの言動もしたし、記者会見のときもそれなりのファッションもしたしさ。それで、すそ野が広がっていったんだよね」と当時のK-1ブームを振り返った。
ボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)やメジャーリーガーの大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)といった一流アスリートを例に挙げながら「親もさせたいって人は結構多いんじゃないの」と他のスポーツを推奨する場面も。
また、「稼げるっていうのはひとつ大事でもあるけどね。もちろん」とも付け加え、「やっぱりチャンピオンが格闘技界のイメージを決めるから。2、3、4位じゃないからイメージは。王者が決めるから」とRIZINのフェザー級新王者に輝いた鈴木に、今後の期待を込めて発破をかけた。
1分間最強を決める格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」は不良やヤンキーといった喧嘩自慢が集結し、対戦前から大乱闘の大荒れがSNSを通じて大きなバズりを見せ、日夜話題を呼んで人気を博している。
自らが歩んだ時代とは異なる日本格闘界の風景に、反逆のカリスマも黙って見過ごすことはできないようだ。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】「私との王座統一戦は大きな間違いと後悔するはずだ」タパレスが井上尚弥を挑発!? 母国メディアに強気「世界に衝撃を与えたい」
現地11月4日、アゼルバイジャンで開催された格闘技イベント『RIZIN LANDMARK 7』で鈴木千裕がRIZINフェザー級王者のヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)を下からのパンチ連打で失神させる衝撃的なKO勝ちを収め、新チャンピオンに輝いた。
【動画】魔裟斗が「不良が輝く格闘技界」に苦言(11分20秒~)
24歳の新王者は試合後、強敵から奪取したチャンピオンベルトに胸を弾ませ笑顔を見せていた。だが今後の展望を問われたとき、鈴木の目の色が変わる。「日本の格闘技は不良の人とか、ヤンキーとかが輝く時代になってしまった」と発言。「そういう人たちが表舞台に出て格闘技の質を下げちゃってる」とも嘆いた。
続けて、「本物が格闘技をちゃんとやって、遊びも一切断ち切って格闘技を真面目にやっている人が報われる業界を作りたい」とも発信。いち格闘家として、日本の格闘界が置かれている現状に危機感を抱いた。
これに反応したのが、元K-1ファイターの魔裟斗氏だ。同氏は"反逆のカリスマ"のニックネームで2000年代の「K-1 WORLD MAX」の牽引者として活躍。歯に衣着せぬ発言と、スピードとテクニックを生かしたファイトスタイルでファンを魅了。2003年に日本人初の世界王者に君臨し、08年にも2度目の世界制覇を成し遂げた。まさに日本の格闘界を代表するファイターで、翌年の12月31日に惜しまれつつも現役引退を発表した。
そんな同氏は11月5日に自身のYouTubeチャンネル『魔裟斗チャンネル』を更新。鈴木の発言を受けて、「格闘技の未来がなくなる。すそ野がしぼんじゃう」と同調を示した。
魔裟斗氏は「俺とかが格闘技をスポーツに持っていってすそ野を広げたのに、不良のヤンチャなものになってしまうと、親は子どもにやらせたくないからね。そうすると(すそ野が)小さなパイになっていって10年後、20年後(格闘技)人口が減っちゃうんじゃない。親はやらせないでしょ」と自身の現役時代を交えながら、近年の日本の格闘界が不良たちの力を誇示するようなジャンルに成り下がってしまっていると論じる。
自身も「ヤンチャな頃はあった」と認めつつも、「途中から自分のなかでアスリートに変わっていった」と断言。「K-1という舞台はあったけど、自分のなかでアスリートの舞台だと思ってやっていた。それなりの言動もしたし、記者会見のときもそれなりのファッションもしたしさ。それで、すそ野が広がっていったんだよね」と当時のK-1ブームを振り返った。
ボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)やメジャーリーガーの大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)といった一流アスリートを例に挙げながら「親もさせたいって人は結構多いんじゃないの」と他のスポーツを推奨する場面も。
また、「稼げるっていうのはひとつ大事でもあるけどね。もちろん」とも付け加え、「やっぱりチャンピオンが格闘技界のイメージを決めるから。2、3、4位じゃないからイメージは。王者が決めるから」とRIZINのフェザー級新王者に輝いた鈴木に、今後の期待を込めて発破をかけた。
1分間最強を決める格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」は不良やヤンキーといった喧嘩自慢が集結し、対戦前から大乱闘の大荒れがSNSを通じて大きなバズりを見せ、日夜話題を呼んで人気を博している。
自らが歩んだ時代とは異なる日本格闘界の風景に、反逆のカリスマも黙って見過ごすことはできないようだ。
構成●THE DIGEST編集部
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