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マラソン・駅伝

出雲、全日本で圧勝の駒大!“3冠阻止”をするには「先制攻撃」「5区でぶっちぎる」。実現可能な大学は?【箱根駅伝】

酒井政人

2023.11.09

左から青学大の若林、駒大の鈴木、中大の吉居大和、國學院大の平林。写真:アフロ、JMPA、田中研治(THE DIGEST写真部)

左から青学大の若林、駒大の鈴木、中大の吉居大和、國學院大の平林。写真:アフロ、JMPA、田中研治(THE DIGEST写真部)

 全日本大学駅伝は駒大が堂々の4連覇を達成した。1区赤津勇進(4年)がトップ中継すると、一度も他大学の背中を見ることなくレースを完結。8区間中4区間で区間賞をさらって、2位の青学大に3分34秒もの大差をつけた。

 今季は出雲を大会新で独走しており、2年連続の「3冠」に王手をかけたことになる。圧倒的な戦力を考えると、最終決戦の箱根駅伝も駒大がダントツのV候補になるだろう。そのなかで王者の連勝記録を阻止する大学は現れるのか。

 駒大に自力で勝つには2つのパターンしかない。ひとつは「先制攻撃」を仕掛けること。もうひとつは「5区でぶっちぎる」ことだ。

 昨季と今季の三大駅伝を振り返ると、駒大は序盤区間でトップに立ち、悠々とレースを進めるのが勝ちパターン。トップとの差は最大で19秒しか引き離されていないのだ。しかし、この差が40~50秒になってくると、距離にして220~280m。駒大でも追いつくのは大変だ。

 駒大の選手層を考えると、区間が進むにつれて、より優位になっていく。逆にいえば、ライバル校が前半区間で“大量リード”を奪うことができれば勝機を見出すことができるだろう。
 
 その戦略を狙っているのが中大だ。出雲と全日本は不発に終わったが、前回の箱根ではエース吉居大和が2区でトップに立つと、3区に入った中野翔太も連続区間賞。3区終了時のリードはわずか10秒だったが、王者・駒大と終盤まで競り合うことに成功している。

 中大・藤原正和駅伝監督も、「今回は優勝狙いで、(駒大に)背中を見せたいという思いで来ました。それは出来ませんでしたが、箱根でも今回目指したような駅伝をするつもりです。前半でしっかりと背中を見せる。こちらから動かないと、向こうに変化は起こらないと思うので、我々の強さを出せるように仕上げていきたい」と話していた。

 駒大は2区を3年連続で担った田澤廉(現・トヨタ自動車)が卒業。主将・鈴木芽吹が2区候補で、ポテンシャルを考えれば、区間賞争いができる選手だ。しかし、難コースの2区を1回目で快走するのは簡単ではない。中大は1区で明確なリードを奪うことができれば、2区の戦いも有利になる。

 そして突破力のある吉居大和という“ジョーカー”をどこに切るのか。中大は戦略次第で駒大を大きく揺さぶることができるだろう。
 
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