世界最大の米プロレス団体「WWE」。全世界165か国で放映され、10億人以上が熱狂する最大のスポーツエンターテインメントだ。
屈強なトッププレイヤーがリング上でしのぎを削るなか、そのトップ戦線の中心にいるのが日本人スーパースター・中邑真輔である。
新日本プロレス時代は同団体の最高峰であるIWGPヘビー級王座を3度、IWGPインターコンチネンタル王座を5度も戴冠。新日本の一時代を築き、『キング・オブ・ストロングスタイル』とも称された。
7年前に単身渡米した中邑は、新日本時代のファイトスタイルやマイクパフォーマンスをフルに発揮。アップグレードを重ねながら全米ファンのハートをわし掴みにすると、団体内でもメキメキと頭角を現わし、実力はさらに磨かれた。
先月の試合では、ついに同団体のトップ王座『WWE世界ヘビー級王座戦』に挑戦。王者セス・ロリンズを必殺技のキンサシャでテーブル葬に見舞うなど、王者を最後まで追い詰める歴史的な激闘を繰り広げた。
名実ともにスーパースターの仲間入りを果たした43歳は、11月26日(現地時間25日)に米シカゴのオールステートアリーナで開催される「WWEサバイバーシリーズ」(ABEMA PPVにて国内独占生中継)のPR会見に出席するため、日本に一時帰国。『THE DIGEST』の単独取材に応じ、充実の1年を振り返った。
アメリカンプロレスについて、「肌で体験することが、たぶん正解だと思っていた」と語り、必要以上の想定はせず自然体で立ち向かった中邑。広大な土地の上で、様々な人種が生活し、食べ物や宗教など、地域や街によって多種多様な文化を肌で感じた日本人はそれを素直に受け止めつつ、「ここで勝負する以上は、腰を据えて日本の文化も知りながら戦っていくしかない」と感じ、あらためてWWEのトップを目指した。
異国で戦っていくなか、中邑は大切にしている部分を明かした。それは、技ひとつにしても、"細部への拘り"を意識すること。「共通項として、やっぱり一流というか、素晴らしいレスラーはすべての動き。もしくは試合の戦術といいますか、意味を持たせているというのはすごく感じます」と論じる。
なかでもスーパースターは、同い年であるランディ・オートン(米国)の所作を絶賛した。
「彼とは同い年なんです。僕の方が2か月ぐらい誕生日が早いのかな。でも、長い間プロレスをしているという意味では、きっとランディの方がキャリアがある。だけど、彼の独特の間(ま)は『こんなレスラーは他にいないな』という間(ま)を持っているんです」
自身も新日本時代は、リング内外で独特の間(ま)を発揮して相手を翻弄してきた。だが、そんな男でも「(オートンは)緩急の付け方がものすごくいい」と指摘し、その振る舞いを称賛する。ファイトスタイルのオーラを別格に感じたようだが、「僕も好きだなと思えるレスラーですね」と語り、まるで少年のような笑みを見せ、いい化学変化を起こせる相手だと意識し、「何度も戦いを重ねていきたい」と希望する。
今年で37回目を迎える「サバイバーシリーズ」では、主役のひとりとして大きな注目が注がれる中邑。WWEで活躍するエンタメの第一人者として先陣を切る男は、「まだまだやれると思ってます。やりたいしね。でも僕だけじゃないです。日本人でWWEで頑張っているのは」と言い、他の日本人プレイヤーも強く推す。
スーパースターはアキラ・トザワ(戸澤陽)、WWE女子王者イヨ・スカイ、アスカ、カイリ・セインなどの名を挙げ、「みんな日本を代表する気持ちで、世界最大のプラットホームであるWWEでパフォーマンスしてます。ABEMAで視聴環境が一気にスーパーアップグレードされているので。ぜひ、目に触れて楽しんでもらいたいです」と異国の地で戦う同胞たちの活躍も、しっかりプレゼンした。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【動画】世界最高峰WWEで活躍する中邑真輔!全米ファンを熱狂させた激闘ファイトをチェック
屈強なトッププレイヤーがリング上でしのぎを削るなか、そのトップ戦線の中心にいるのが日本人スーパースター・中邑真輔である。
新日本プロレス時代は同団体の最高峰であるIWGPヘビー級王座を3度、IWGPインターコンチネンタル王座を5度も戴冠。新日本の一時代を築き、『キング・オブ・ストロングスタイル』とも称された。
7年前に単身渡米した中邑は、新日本時代のファイトスタイルやマイクパフォーマンスをフルに発揮。アップグレードを重ねながら全米ファンのハートをわし掴みにすると、団体内でもメキメキと頭角を現わし、実力はさらに磨かれた。
先月の試合では、ついに同団体のトップ王座『WWE世界ヘビー級王座戦』に挑戦。王者セス・ロリンズを必殺技のキンサシャでテーブル葬に見舞うなど、王者を最後まで追い詰める歴史的な激闘を繰り広げた。
名実ともにスーパースターの仲間入りを果たした43歳は、11月26日(現地時間25日)に米シカゴのオールステートアリーナで開催される「WWEサバイバーシリーズ」(ABEMA PPVにて国内独占生中継)のPR会見に出席するため、日本に一時帰国。『THE DIGEST』の単独取材に応じ、充実の1年を振り返った。
アメリカンプロレスについて、「肌で体験することが、たぶん正解だと思っていた」と語り、必要以上の想定はせず自然体で立ち向かった中邑。広大な土地の上で、様々な人種が生活し、食べ物や宗教など、地域や街によって多種多様な文化を肌で感じた日本人はそれを素直に受け止めつつ、「ここで勝負する以上は、腰を据えて日本の文化も知りながら戦っていくしかない」と感じ、あらためてWWEのトップを目指した。
異国で戦っていくなか、中邑は大切にしている部分を明かした。それは、技ひとつにしても、"細部への拘り"を意識すること。「共通項として、やっぱり一流というか、素晴らしいレスラーはすべての動き。もしくは試合の戦術といいますか、意味を持たせているというのはすごく感じます」と論じる。
なかでもスーパースターは、同い年であるランディ・オートン(米国)の所作を絶賛した。
「彼とは同い年なんです。僕の方が2か月ぐらい誕生日が早いのかな。でも、長い間プロレスをしているという意味では、きっとランディの方がキャリアがある。だけど、彼の独特の間(ま)は『こんなレスラーは他にいないな』という間(ま)を持っているんです」
自身も新日本時代は、リング内外で独特の間(ま)を発揮して相手を翻弄してきた。だが、そんな男でも「(オートンは)緩急の付け方がものすごくいい」と指摘し、その振る舞いを称賛する。ファイトスタイルのオーラを別格に感じたようだが、「僕も好きだなと思えるレスラーですね」と語り、まるで少年のような笑みを見せ、いい化学変化を起こせる相手だと意識し、「何度も戦いを重ねていきたい」と希望する。
今年で37回目を迎える「サバイバーシリーズ」では、主役のひとりとして大きな注目が注がれる中邑。WWEで活躍するエンタメの第一人者として先陣を切る男は、「まだまだやれると思ってます。やりたいしね。でも僕だけじゃないです。日本人でWWEで頑張っているのは」と言い、他の日本人プレイヤーも強く推す。
スーパースターはアキラ・トザワ(戸澤陽)、WWE女子王者イヨ・スカイ、アスカ、カイリ・セインなどの名を挙げ、「みんな日本を代表する気持ちで、世界最大のプラットホームであるWWEでパフォーマンスしてます。ABEMAで視聴環境が一気にスーパーアップグレードされているので。ぜひ、目に触れて楽しんでもらいたいです」と異国の地で戦う同胞たちの活躍も、しっかりプレゼンした。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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