ラグビー

【ラグビー】関係者からは「結論ありきでは」と不信感も… 世界的名将エディー・ジョーンズが日本代表HC就任もグラウンド内外に残る疑念

向風見也

2023.12.16

日本代表ヘッドコーチに就任したジョーンズ氏だが、疑念の声も多いようだ。(C) Getty Images

 今秋のラグビーワールドカップ・フランス大会で2大会連続での8強入りを逃した日本代表は翌年、エディー・ジョーンズをヘッドコーチに立てる。契約期間は4年間。27年のオーストラリア大会を見据えるものの、状況により途中解任もある。

 12月14日、都内で就任会見があった。

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「まず、(世界の)トップ8には必ず。常にこのレベルをキープできるのを目指します」

 今回が2度目の就任だ。最初に日本代表を託されたのは2012年。世界中から専門的なコーチを招き、かつ緻密な管理下で猛鍛錬を重ねた。15年にはそれまで通算1勝だったワールドカップのイングランド大会で、当時2度の優勝を誇った南アフリカ代表などから3勝した。

 自らも出世した。翌年にはイングランド代表で初の外国人指揮官となり、4年後には日本大会で自身2度目のワールドカップ準優勝を果たした。

 03年のオーストラリア大会から日本大会までに4度のワールドカップにスタッフとして携わり、決勝戦に行かなかったのは日本代表で臨んだイングランド大会のみ。世界のどこに行っても、その国にとっての最適な勝ち方を示せる。

 今回のコンセプトは――。

「チョウソク(超速)ラグビーです。15人それぞれが素早く考え、リアクションし、結束し、決断して動くのが大事。アクションだけではなく、頭の回転も速くしなければいけない」

 もっとも、イメージを具現化する役目のコーチ陣については「頭には少し考えはあるが、じっくり考えて改めてお伝えしたい」と話すにとどめた。

 かねて急務とされる若手強化のシステム作りに関しても、具体策は示さなかった。

「日本ラグビーの基本は大学ラグビー。育成に力を入れ、彼ら(選手)の能力を最大化する努力をしたい」とし、アイルランド協会のプログラムを参考にすると匂わせただけだ。隣に座る日本ラグビーフットボール協会(日本協会)専務理事の岩渕健輔は「(実際には)どう強化していくかもかなり明確になっている」と補足するだけに、その中身が期待される。

 ジョーンズに踏み込んだ発言があったとしたら、このあたりか。

「代表には日本人選手をもう少し増やしていければなという希望はあります」

 第1次政権発足時の12年、初めて発表したスコッドの30名中29名を日本出身者にした。以後は海外出身者を増やしながらも、一芸に秀でた学生選手も抜擢。その代表格は、当時筑波大にいた快足ウイングの福岡堅樹だ。引退する2年前の日本大会で英雄となった。

 このほどの談話、過去の経緯を鑑みれば、2024年最初の隊列は新鮮味を帯びるかもしれない。その顔ぶれを見ただけで喜ぶファンは少なくないだろう。
 
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