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フィギュア

「点数に納得いかない」三浦佳生が“スピン0点”に異論! 怒り露も「失言してしまいそうなので、これ以上は控えます」【フィギュア全日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.12.22

体調不良のなか会心の演技を見せた三浦。伸び悩んだ得点には怒りを露にした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

体調不良のなか会心の演技を見せた三浦。伸び悩んだ得点には怒りを露にした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「点数に納得いっていない」

 得点発表後、18歳は取材陣の前にそう告げた。悔しさを押し殺しながら――。

 12月21日、フィギュアスケートの日本一を決める全日本選手権が開幕した。来年3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)代表選考会を兼ねた第1日は男子ショートが行なわれ、通算6度目の優勝を狙う宇野昌磨が104.69点で首位発進。2位に山本草太、3位に鍵山優真と続き、23日のフリーに駒を進めた。

 22番目に登場した高校3年生へ、観客からひと際大きな「パワー」が送られた。実はこの日、三浦佳生は朝の公式練習を体調不良で参加を見送っていた。のちに「朝、お腹の痛みでまず目が覚めて、気持ち悪くなってだんだん吐き気もしてきたので、これはまずいなという感じで。公式練習の時間まで動きそうになかったので、大事をとって朝の練習はパスした」と異常事態だったことを明かした。
 
 迎えた本番。リンクに立った18歳は決して万全とは言えないコンディションのなか、”気迫”の込もった演技を氷上にぶつけた。
 
 三浦は冒頭で4回転サルコウ+3回転トウループのコンビネーションを力強く着氷。GOE(出来栄え点)も「3.19」点付く高い加点をもらうと、トリプルアクセル、後半には単独の4回転トウループを着氷し、勢いをつけた。

 演技後は左手で小さくガッツポーズ。現状出し切れるパフォーマンスを発揮した三浦は「今季のショートで一番会心の出来だった。体調も含めて自分を褒めたい」と振り返ったが、意外にも点数は伸びきれず(93.91点)。その要因は、終盤の足替えシットスピンが『0点』と痛恨のジャッジを受けた点にあった。
 
 演技後、三浦はこの大会に臨むにあたり、姿勢をしゃがめているライン、スピンの対策をしっかりやってきたことを強調したうえで、「シットスピンがノーカウントになった。これでダメなら対策のしようがない」と怒りを露にしながら言うと、「まったく納得がいっていないです」と判定に注文をつけた。

 最後はジャッジへの異論を抑えながら、「今は失言してしまいそうなので、これ以上は控えます」と冷静に話すにとどめ、「ノーカウントがすごく痛いので、何を対策すればいいか分からないですけど、1点でも多く点数を取れるように考えるようにはしたい」とだけ語り、勝負のフリーを見据えた。

 体調不良のなか、乾坤一擲の大勝負に出た三浦。ジャッジに泣いた場面はあったが、18歳が魅せた魂の演技は、しっかりと会場の観客に伝わったはずだ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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