2023年のF１は、ドライバーとコンストラクターの両方のチャンピオンシップでレッドブルが歴史的な圧勝を収めたことで記憶されるだろう。

　マックス・フェルスタッペンは22戦中で19勝を挙げ、多くの記録を樹立して３連覇を飾り、２連覇を達成したレッドブルも22戦中21勝で最高勝率を記録。夏には「RB19」のアップデートを終えて来季の車の開発に切り替えたにもかかわらず、最後まで他の追随を許さない、まさに前例がないほどの完璧な１年を送った。
  　他チームからすれば、この絶対王者に対しては全く付け入る隙がなく、早々に２位に目標を設定することを余儀なくされたシーズン。しかし、「レッドブルとその他」という勢力構図となった中、さらに「その他」においてもシーズンが進む中で主導権を握るチームが入れ替わっていく様相には、興味深いものがあった。

　イタリアの大手スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、レッドブル完全制覇のシーズンでも、着実に進化を遂げていったチームを確認する意味で、全22戦を前半と後半で分け、それぞれで各チームが獲得したポイントの差を比較してのチームランキングを作成。すると、当然ながら実際のチャンピオンシップとは全く異なる順位が形成された。ランキングは以下の通り。

１位（４）：マクラーレン（後半215-前半87=+128）
２位（３）：フェラーリ（239-167=+72）
３位（６）：アルピーヌ（73-47=+26）
４位（８）：アルファタウリ（23-２=+21）
５位（７）：ウィリアムズ（17-11=+６）
６位（９）：アルファロメオ（７-９=-２）
７位（10）：ハース（１-11=-10）
８位（２）：メルセデス（186-223=-37）
９位（１）：レッドブル（408-452=-44）
10位（５）：アストンマーティン（96-184=-88）
※括弧内はチャンピオンシップの順位

　序盤でフェルナンド・アロンソの力走によって一躍主役となったアストンマーティン、最悪のスタートを切って最後尾を走ることも少なくなかった状態から、中盤に入って車の改良が見事に当たって一躍首位争いを展開するまでになったマクラーレンについては、まさに今季の浮き沈みが見て取れるランキングである。