マックス・フェルスタッペンとレッドブルの歴史的な圧勝劇で幕を閉じた2023年のF１だが、世界最高峰レースにおいては、彼ら以外にも見る者に強い印象を与えたドライバーやチームが多数存在した。
  　各国メディアが様々な形で今季を振り返っているなか、F１公式サイト『F1.com』では、2016～17年にルノーで37戦に出走した元F１ドライバーで、現在はコメンテーターを務めるジョリオン・パーマーの選定による「2023年の傑出したパフォーマー、最高の瞬間、最大のサプライズ」を発表している。

　まず、「ベストドライバー」がフェルスタッペン、「ベストチーム」がレッドブルと、全く異論のないセレクト。「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」のオスカー・ピアストリ（マクラーレン）や「最大のサプライズ」のフェルナンド・アロンソとアストンマーティンについても、他に候補が挙がらないぐらいに妥当なものと言えよう。

「ベスト個人パフォーマンス」には、シンガポール・グランプリで唯一レッドブル勢に土をつけたカルロス・サインツ（フェラーリ）。トップを走る終盤、敢えて２番手のランド・ノリス（マクラーレン）を背後に近づかせてDRSを与えることで、その後ろから猛追するメルセデス勢を抑えるという頭脳的かつリスキーな走行をやってのけたのは見事であり、３番手で苛立ったジョージ・ラッセルがラストラップでコースアウトしたことも含め、このバトルは「最高の瞬間」にも選出された。

　その他、「感動的な瞬間」には、序盤は下位に沈むなど不安定な状況だったのが、的確なアップデートによって第10戦の母国レースでは、予選でツースリー、決勝ではノリスが２位、ピアストリが４位につけたイギリスGPにおけるマクラーレンの大躍進、「ベストレース」には「様々なドラマがあった」「見応えがあった」（パーマー談）初開催のラスベガスGPが、それぞれ挙げられている。

　また、「ベスト・アンダードッグ・パフォーマンス」、要するに「番狂わせ」の中で一番インパクトが強かったものに、モナコGPでのエステバン・オコンによる３位表彰台を「プレッシャーの下でドライバーもチームも混沌としたレースを走り切った」として選出。ちなみにアルピーヌは、オランダGPでピエール・ガスリーも３位となっており、パーマーは「両ドライバーを表彰台に乗せたことは驚くべきことだ」と評価した。