日本が世界に誇る”モンスター”が輝かしい勲章を手に入れた。

　現地12月29日（日本時間30日）、ボクシング史上２人目の２階級での４団体統一に成功したスーパーバンタム級王者の井上尚弥（大橋）が、米スポーツ放送局『CBS Sports』の2023年のベスト・オブ・ボクシングに当たる「ファイター・オブ・ザ・イヤー（年間最優秀選手）」に選出。日本人ボクサーがボクシング先進国に高く評価された。

　同局はまず、「2023年はボクシング界にとって、記憶に残る試合、スリリングなパフォーマンス、そして念願の対戦がリングで実現した素晴らしい年だった。しかし、そんな記念すべき年に最も輝いたボクサーは誰だろうか？」と問いかけたうえで、年間MVPに世界から「怪物」と恐れられる30歳の日本人ファイターを選出した。

　記事を執筆したブレント・ブルックハウス記者は、「ここ数年で最も印象的なパフォーマンスの数々を積み重ねてきた 『ザ・モンスター』にとって、今年も素晴らしい１年だった」と称賛し、次のように選考理由を力説している。
  「ナオヤ・イノウエは正真正銘のエリート・ファイターであるフルトンを翻弄し、実力差を見せつけ、８ラウンドに残酷なノックアウトを奪った。108ポンド（ライトフライ級）でキャリアをスタートさせた彼が、そのトレードマークであるスピードとパワーを発揮できるかどうかの、迅速かつ残酷な答えだった」

　26日のタパレス戦については「フィリピン人ボクサーは、ほとんどの選手と同じように善戦したが、イノウエはスーパー・バンタム級で世界主要４団体王座を獲得した」と説明。井上の圧倒的な強さに驚きを隠せなかった。

　最後に「イノウエに残された唯一の問題は、壁にぶつかる前にどこまで体重を上げられるかだ。今のところ、彼は１階級、２階級を電撃的なスピードで制覇し、ほとんど理解不能な戦い方で相手を圧倒してきた男だ」と、『ザ・モンスター』と称される日本人ボクサーの底知れないパフォーマンスに脱帽している。

　日本ボクシング界の歴史を塗り替え続ける井上。しばらくはスーパーバンタム級を主戦に戦うことを明言しており、来年も無敵なモンスターの動向から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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