格闘技・プロレス

「朝倉海に感謝」”2.8kg体重超過”したアーチュレッタは『68kg以内の条件付き』で試合実施へ! 榊原CEOがリング上で苦しい胸中「一部からは批判あるかも」【RIZIN】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.12.31

榊原CEOはリングに上がり、アーチュレッタvs朝倉海の試合を実施すると発表した。写真:永島裕基

 波乱に満ちた注目の大一番は「条件付き」ながら実現する。

 12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催されている『RIZIN.45』。試合開始前、RIZINの榊原信行CEOより第16試合のRIZINバンタム級選手権、フアン・アーチュレッタ(米国)vs朝倉海について同CEOより説明があり、条件付きで試合を実施すると正式発表された。

 事の発端は前日計量(30日)で起きた。朝倉は60.95kgで一発パスしたが、対峙するチャンピオンのアーチュレッタは、なんと63.80kgを計量。なんと「2.8kg」もオーバーする異例の事態となり、アーチュレッタの王座は剝奪。試合実施については、主催者預かりとなり、試合当日ギリギリまで協議された。

 そして14時開始の第1試合前、榊原CEOがリングに登壇。会場のファンに向かって、朝倉が試合実施を望んだため、「条件付き」で第16試合を行なうことを発表した。

「2.8kgオーバーはオーバーするにしても多すぎる。通常であればそこで試合キャンセルと言われても、海側にジャッジは委ねられるので海がやらないという選択肢もあったと思います。それでも海はこれだけ多くのファンに集まって頂き、戦いたいと今日の朝、両者試合に合意しました」
 
 同CEOは「本当に一部の皆さんからは批判があるのかもしれません」と苦しい胸中を語る。続けて、「61kgを作った選手たちはそこからリカバーをする。通常なら、そのリカバーをした分は不問に伏すんです。(体重が)70になろうと、前日に61ができた時点でクリアなんです」と強調。「でも今回は68kgのキャッチウェイトで行ないます。譲歩してくれた朝倉海に感謝します」と対戦を許諾した朝倉に謝辞した。

 だが、予断は許さない。試合1時間前にアーチュレッタは再度計量を行ない、「68kg以内であった場合のみ」試合を実施。そこで最終決定となる。

 試合の裁定は朝倉が勝利した場合のみ、公式記録として王者に認定される。逆にアーチュレッタが勝利した場合は、王座は剝奪されているため無効試合となることも併せて発表された。

 最後に榊原CEOは「今朝、68kgまでの戻しはOKと海が譲渡しました。この場を借りて海側に感謝したい。アーチュレッタは68kgを超えないという思いの中で体調は悪いですが、今も食事を抑え水分も抑えて、試合1時間前に計量。必ず落としてくれると思います」と試合実現に向けて願いを込め、リングを降りた。

 大晦日という最高の舞台で行なわれる大勝負。はたして、試合の行方は――。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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