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マラソン・駅伝

「勝てる気がしなかった」まさかの“優勝”に原監督も驚き隠せず! 5日前には「準優勝でもいいよ」と弱気発言も【箱根駅伝】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2024.01.04

2年ぶりに箱根駅伝で優勝を飾った青学大の原監督。写真:JMPA

2年ぶりに箱根駅伝で優勝を飾った青学大の原監督。写真:JMPA

 瓢箪から駒が出たようだ。

 1月2、3日に開催された箱根駅伝で、青山学院大が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶりに頂点に返り咲いた。大会前には”駒大1強”と言われており、原晋監督もレース前は「勝てる気がしなかった」ことを明かしている。

 昨シーズン駒大に三冠を、今季も出雲、全日本と圧勝を許していた。そんななか12月上旬にインフルエンザに集団感染とピンチに陥った青学大。公の場では「負けてたまるか大作戦」と称し、2年連続三冠阻止を狙ってきた原監督だが、12月28日に開かれた全体ミーティングでは「準優勝でもいいよ」と選手に弱気な提案をしていたのだ。

 その時の真意について「本音8割、2割はホッとさせて奮起を促すため」と明かす。実際、駒大は10000m27分台を持つ3選手を擁するなど強力メンバーがズラリと並ぶ。「現実問題、優勝は難しい」と考えた指揮官は、「そういう状況でも学生は『優勝だ!優勝だ!』と言っていたので、ちょっと力を抜かせようとした」と話した。
 
 そんななか選手は監督の予想を大きく超えた。2区の黒田朝日が前を走る駒大との差を縮め、3区の太田蒼生が爆走し、先頭に躍り出た。後続の選手はその勢いに乗り、どんどん突き放しにかかり、大手町のゴールでは6分35秒もの差ができていた。

 同監督は「勝つつもりはあるけど、勝てる気がしなかったです。勝てないよ、普通。あれ、勝っちゃった~って感じ。去年ぐらいからもう勝てない時代になってきたと思っていた」と本音を吐露した。

 まさかの王座奪還に成功した青学大。今大会を走った7選手が来年度もチームに残るだけに、今後も楽しみな存在だ。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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