マラソン・駅伝

青学大2年ぶりVの舞台裏に迫る! 直前に故障した選手が大晦日の夜に作ったものは?「落ち込んでいても何も生まれない」【箱根駅伝】

THE DIGEST編集部

2024.01.05

2年ぶりに大手町で胴上げをされる青学大の原晋監督。写真:JMPA

 1月2、3日に開催された『第100回箱根駅伝』で、青学大が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶりに7度目の頂点に立った。3区で首位に躍り出ると、2位の駒大の追随を許さず、大手町のゴールに1番で戻ったのだ。

 10選手のパワーの源となったのは、当初8区を走る予定だった田中悠登からの贈り物だ。優勝から一夜明けた4日、田中は「12月30日に脚の痛みが限界を迎え、あと少しのところで出走できず本当に苦しかったです。1年間この日のために頑張ってきたので、色々な想いが込み上げてきました」とXで本音を明かした。

 それでも「落ち込んでいても何も生まれないし、面白くない。そう思い、100円ショップに行き、フェルトや裁縫セットを買って、夜な夜な片桐(悠人)君とラジオで紅白歌合戦を聴きながら、お守りを作りました。毎年大晦日は、箱根駅伝に備えて早く寝ているけれど、今年は『悔しいなぁ~』って言いながら裁縫をして年を越しました。一生忘れない大晦日です」と出走する選手のために尽くしたようだ。
 
 そんな彼が作ったダルマのお守りを身につけて走ったのが10区の宇田川瞬矢だ。「直前でメンバーチェンジになってしまった田中さんが全員に作ってくれたお守りがあった」と日本テレビ系列情報番組『ZIP!』で披露。「それをズボンに入れて走っていて、最後はそれを出してゴールしようと思っていたんですが、ちょっときつすぎて出来なくて。田中さんが、全日本(大学駅伝のゴール)で投げキスしていた。それで自分もそうしようと咄嗟に判断しました」とゴールする瞬間のポーズを決めた。

 また同じく日本テレビ系列情報番組『Day Day』では、1区を走った荒巻朋煕が「直前で故障してメンバー外れてしまった田中さんが悔しい顔をひとつせず、お守りをつくってくれた。チームを想う気持ちが凄い」と羨望の眼差しで見た。

 怪我で走れなかった田中が、2年ぶりにチームに優勝をもたらしたといっても過言ではないようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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