マラソン・駅伝

圧倒的強さで青学大を7度目の総合Vに導いた原晋監督の”言葉”が脚光! 指揮官が考える「組織運営に必要な三箇条」に反響続々

THE DIGEST編集部

2024.01.07

圧巻の強さで2年ぶり7度目の総合優勝を飾った青山学院大の原監督。写真:JMPA

 大学駅伝界の名将の言葉が小さくない話題を呼んでいる。

 正月の風物詩である第100回箱根駅伝が1月2日、3日に行なわれ、青山学院大が大会新記録となる10時間41分25秒で2年ぶり7度目の総合優勝を飾り、駒澤大の駅伝三冠を阻止した。
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 今季で就任20年目を迎えた原晋監督は、今大会のスローガンに「負けてたまるか!大作戦」と銘打って臨み、打倒・駒澤大に全力でぶつかった。

 指揮官の熱い思いに教え子たちも応えた。花の2区では黒田朝日(2年)が日本人歴代2位となる1時間6分7秒の激走でトップを走る駒澤大とのリードを13秒差に詰めると、3区の太田蒼生(3年)は1時間を切る59分47秒の驚異的なタイムで、ついにトップを奪取。襷を引き継いだチームは、そのまま芦ノ湖のゴールまで首位で駆け抜けた。

 5時間18分14秒の往路新記録を叩き出した青学大の勢いは復路でも止まらなかった。2位の駒澤大との差を徐々に引き離す圧巻の強さで快走。最後まで首位を譲らず、2年ぶりに東京・大手町に1番で戻ってきた。
 
 歓喜の胴上げから2日後の5日、56歳の名将は自身の公式X(旧ツイッター)を更新。「私が考える組織運営に必要な三箇条」と題し、次の三本柱を明記した。

「1.常に本質を追求する事 2.ゴールからの逆算思考 3.リーダーの覚悟

スポーツもビジネスも一緒ですね」

 2004年に青学大監督に就任した当初は優勝はおろか、28年間も大会に出場することすらできない弱小部だった。そこから原監督は、自らがサラリーマン時代に培った手法を大学の陸上部に取り入れ、わずか10年余りで日本屈指の強豪校に育て上げ、15年から箱根駅伝で4年連続総合優勝に導く見事な手腕を発揮した。

 近年は駒澤大の後塵を拝す時期が続いた。さらに大会1か月前には、チーム内にインフルエンザが蔓延するピンチに。想像以上に深刻な状況だったことを明かしながら、大会直前の12月28日に開かれた全体ミーティングでは「準優勝でもいいよ」と選手に提案。その真意は「本音8割、2割はホッとさせて奮起を促すため」と明かすなど、見事なマネジメントでチームを7度目の総合優勝に導いた。

 ビジネスにも通じる指揮官のヒントにSNS上も注目。「同感です!」「最高で素晴らしい言葉」「すべてにおいて、確かに根拠が必要ですね」「うちの職場のリーダーに伝えたい泣」「とても身に染みる三箇条です」など、共感する声が相次いだ。

 原監督の言葉を力に変えた教え子たちは、結果的に5人が区間賞を獲得。2分以上更新する大会新記録で100回目の箱根駅伝の歴史に名を刻んだ。同監督は「学生たちが本気になって箱根駅伝に向き合ってくれた」と窮地に追い込まれた選手たちの頑張りを改めて称賛している。

構成●THE DIGEST編集部

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