格闘技・プロレス

「フィニッシュまでの“答え合わせ”をしていた」井上尚弥がタパレスとの4団体統一戦を独自解説! 衝撃の10回KO葬の道筋を告白

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.01.30

井上は手中に収めた4つのベルトを掲げてタパレスとの激闘を振り返った。写真:鈴木颯太朗

 日本が世界に誇る"モンスター"が、世紀の一戦の舞台裏を大胆に解説した。

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が1月29日、都内でWOWOWライブ『井上尚弥出演!エキサイトマッチSP「井上尚弥vsタパレス」』の収録を行ない、昨年12月26日に東京・有明アリーナで開催されたビッグマッチを振り返った。
【PHOTO】井上尚弥が番組収録後に囲み取材を実施!気になる次戦の相手は…放送・配信は、2月5日にWOWOWで!

 当時WBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)との統一戦に臨んだ一戦を井上本人が解説【放送・配信日は2月5日(月)午後9時】。モンスターの独自な視点から試合中の駆け引きが明るみになった。

 対戦前、井上はナイトメア(タパレスの愛称)のイメージを「ラフなファイター」だと考えていた。だが試合が正式決定後、タパレスの研究を積み重ねた結果、「技術がある。一発は気をつけようと準備していた」と警戒を強め、入念な対策をしてビッグマッチを迎えた。
 
 リングに立ち、タパレスと対峙した時には「もう何も考えてなかったし、臨機応変に戦うだけだった」と泰然自若に構えていたなか、戦っていく中で「相手のデータをどれだけ吸収できるか」を大切にしていたと強調。長年培ってきたファイターとしての感性を大事にしていることを初めて明かした。

 試合序盤は「想定していた以上に(タパレスが)出てこなかった」と戸惑ったが、井上は手数を出していきながら、「ここからどう崩してフィニッシュにまで持っていくのか答え合わせをしていた」と興味深いコメント。「タパレスのパンチの出し方を考えながら、そこにどうパズルを当てはめていくか。カウンターだったりを考えながら」と述べ、ラウンドを重ねるごとに相手の動きを冷静に見極めながら、KOへの道筋を探っていた。

 第4ラウンドにワンツーからこの試合初めてダウンを奪ったが、その後は相手の驚異的な粘り強さに手を焼き、鋭いカウンターで顔をかすめる場面もあった。タパレスの強固なディフェンスに「突破口をどうしようか探っていた」と本音を吐露するも、第7ラウンド以降は態勢を立て直そうと相手の戦い方を分析。ジャブやボディなどで確実にダメージを蓄積させていき、着実にパズルを完成させていった。
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勝負が決した第10R「パワーをセーブせずにいく」