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世界最高賞金を懸けたサウジカップに臨む日本馬は4頭! 豊富な海外経験持つデルマソトガケを本命視も、強力すぎる米2騎が主役候補

THE DIGEST編集部

2024.02.24

デルマソトガケは日本馬の中でも豊富な海外経験を持つ。世界最高賞金レースに臨む今回も期待が膨らむ。写真:産経新聞社

デルマソトガケは日本馬の中でも豊富な海外経験を持つ。世界最高賞金レースに臨む今回も期待が膨らむ。写真:産経新聞社

 2020年に創設されたサウジカップ(G1、キングアブドゥルアジーズ・ダート1800m)。第4回の昨年は日本馬として初めてパンサラッサ(2017生、牡、父ロードカナロア)が逃げ切り勝ちを収め、大きな盛り上がりを見せた。

 賞金総額は2000万ドル(約30億円)、優勝賞金1000万ドル(約15億円)という世界最高賞金を提供するこのレースは、創られてわずか3~4年と歴史が浅いなか米国に限らず、欧州のターフを主戦場にしてきた強者を含めて、世界中のトップホースたちのビッグターゲットになった。

 今年、日本からは5頭がエントリー。残念ながらJpnⅠを3勝しているメイショウハリオ(牡7歳/栗東・岡田稲男厩舎)は主催者の厳しい検査で出走に適さない状態と判断されてスクラッチ(出走取消)となり、4頭がレースに臨むことになった。

 まずは出走を予定しているJRA所属馬4頭をプロフィールをもとに評価してみる。レイティングの順番に挙げると、ウシュバテソーロ(牡7歳/美浦・高木登厩舎)が122ポンドでトップ。レモンポップ(牡6歳/美浦・田中博康厩舎)と、デルマソトガケ(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)が120ポンドで2番手。続いてクラウンプライド(牡5歳/栗東・新谷功一厩舎)が117ポンドで4位となっている。

 ちなみに2月24日の午後4時過ぎ時点(日本時間)での単勝オッズでは、レモンポップが3.6倍で日本馬の中で最上位。続いてウシュバテソーロが4.2倍、デルマソトガケが7.5倍、クラウンプライドが38.8倍という評価を受けている。
 
 ここで一番に取り上げたいのは、今年4歳になったばかりで伸び盛りのデルマソトガケである。

 2歳の12月に臨んだ全日本2歳優駿(JpnⅠ、川崎・ダート1600m)で重賞初勝利を挙げると、翌年に早くも海外挑戦。サウジダービー(G3、キングアブドゥルアズール・ダート1600m)を3着としたあと、転戦先のドバイでUAEダービー(G2、メイダン・ダート1900m)に快勝。徐々に地力を付けてきた。

 だがデルマソトガケの海外挑戦は、これだけで終わらなかかった。5月には米国へ遠征し、米競馬の3歳クラシックのひとつである伝統レース「ケンタッキーダービー(G1、チャーチルダウンズ・ダート2000m)」に挑み、6着と善戦した。

 さらに11月にはダート競馬の最高峰である米ブリーダーズ・クラシック(G1、チャーチルダウンズ・ダート10ハロン)にもチャレンジ。9番人気という低評価を覆し、しぶとい差し脚で僅差の2着に食い込み、地元ファンを驚かせた。

 帰国後は年末の東京大賞典(JpnⅠ、大井・2000m)を回避。今回のサウジアラビア遠征はそれ以来のレースとなるが、ここを目標に順調に調整を積んできた。

 デルマソトガケは輸送中、顔に外傷を負うアクシデントがあったものの大事には至らず、音無調教師と騎乗予定のクリストフ・ルメール騎手ともトラブルの影響はない。去年GⅠを7勝する大活躍を見せたルメール騎手は「当日は(別のレースで)他の馬に乗るけど、ベストチャンスはソトガケ」と断言するほど能力は高く、チャンスは決して低くない。

 昨年1年間を海外遠征に絞って好成績を積み重ねたうえ、そのすべてが休み明けというのも心強いデータを残す。まだまだ成長途上にある4歳という年齢も魅力的だし、本項では日本馬の中では筆頭候補に推したい。
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