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【名馬列伝】外国馬に門戸が開かれた時代に来日した名牝スノーフェアリー。一流の日本馬を軽く一蹴した“世界トップ”の強さに衝撃

THE DIGEST編集部

2023.11.03

内から強烈な脚で日本馬を一気に蹴散らした外国馬のスノーフェアリー(中央)がエリ女を制した。写真:産経新聞社

内から強烈な脚で日本馬を一気に蹴散らした外国馬のスノーフェアリー(中央)がエリ女を制した。写真:産経新聞社

 今回は初めて外国調教馬(以下「外国馬」)を取り上げてみたい。JRAはジャパンカップを除き、長い間外国馬を主要GⅠレースに出走できない制限をかけていた。それは欧米に比べてさまざまな面で見劣る国内の競走馬生産を保護するための施策、というのが主たる要因だった。

 しかし、ジャパンカップで日本馬が外国馬と互角以上の成績を残すようになり、逆にタイキシャトル(ジャックルマロワ賞)やシーキングザパール(モーリスドゲスト賞)がフランスのG1レースを相次いで制するようになるなど、日本の育成・調教技術が急激に高まっていることが明らかになっていった。

 そうした事情を背景にJRAは鎖国路線から開放路線へと舵を切っていく。それはJRAのある念願を叶えるためでもあった。

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 世界の競馬界では、国際セリ名簿基準委員会によるパート分けをもとに各国の生産馬の国際的価値を評価される。日本が高レベルのレースを施行していることは外国にも広く知られていたが、それにもかかわらず日本はずっと「パートⅡ国」に分類されていた。なぜなら、外国馬の出走に制限をかけていたからである。そこでJRAは外国馬にほぼ全レースを開放することを決定。2010年、ようやく念願の「パートⅠ国」への昇格を果たした。

 世界的な格が上がり、賞金のレベルも世界のトップランクにある日本競馬だけに、外国馬がどんどんやって来るのではないか。そう思っていた向きもあるが、実際はほとんどやってはこなかった。

 それは経費の問題が生じるからだった。ジャパンカップのような「招待レース」ならば、馬の輸送はもちろん、オーナーや調教師をはじめとする関係者には、いわゆる”顎足付き”のホスピタリティが提供される。しかし、それ以外のレースに参戦する馬の経費は自己負担で来なければならない。ゆえに極東の日本にまで自腹では足をのばしにくかったのである。

 そうした流れに逆らって強気に参戦する馬が現れた。アイルランド生産で英国調教の牝馬スノーフェアリー(Snow Fairy)である。

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