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格闘技・プロレス

「正直、勝てないと思っていた…」村田諒太に屈して王座奪取に失敗したバトラー陣営が敗戦したワケを語る

THE DIGEST編集部

2019.12.25

怒涛の攻めで世界王者の地位を守った村田。24歳の挑戦者をリングにに沈めた。 (C) Getty Images

怒涛の攻めで世界王者の地位を守った村田。24歳の挑戦者をリングにに沈めた。 (C) Getty Images

 敵も賛辞を贈るほどの完璧な試合運びだった。

 12月23日に横浜アリーナで、ボクシングのWBAミドル級チャンピオンの村田諒太(帝拳)は同級8位の挑戦者スティーブン・バトラー(カナダ)を5回2分45秒で打ち破り、今年7月に奪還した王座の初防衛に成功した。

 序盤は相手の勢いに押された村田だったが、徐々に冷静さを取り戻すと、攻勢を強めた3ラウンド以降はチャレンジャーを圧倒。そして、効果的にパンチをヒットさせていた5回に、右ストレートからの渾身の左フックで難敵をリングに沈めた。

 自身初のタイトル防衛に成功した村田を、健闘虚しく敗れたバトラー陣営は対戦前から高く評価していたようだ。

 カナダのスポーツネットワーク専門チャンネル『TVA Sports』の取材に応じた同選手のトレーナーを務めるレアルド・ボワヴェールは、「これが世界戦だということを思い知った」と語り、こう続けた。

「このような試合がボクサーに提供されることは稀だ。だから、我々はこの機会を逃すわけにはいかなかった。負けた時のリスクがあることも承知の上で、負けてしまった。だが、それと同時に自分たちが何を改善できるかを知る最良の機会となった」

 さらにボワヴェールは、「スティーブンは失望している」と明かしたうえで、9歳年上で経験が豊富な村田に対して、「勝てないと思っていた」と驚きのコメントを残した。

「彼(バトラー)はとても若い。だからこの戦いに勝てると心の底から確信していた。だが、我々は正直なところ、ムラタに勝つことはできないだろうと思っていた。スティーブンにはムラタをノックアウトするだけの力があるが、それ以上にムラがある。それがムラタとの違いになった」

 KO率80パーセント越えの圧倒的戦績を引っさげ、初の戴冠を目指したものの、王者の一撃に屈したバトラー。試合後に「私はこの試合からたくさんのことを学ぶだろう」とツイートした本人はショックを隠しきれないが、ボワヴェールは、さらなる成長に自信を覗かせている。

「再び仕事に取り掛かる。スティーブンは多くを学んだはずだ。実際、試合中には素晴らしい場面を見ることができた。防御とカウンターを改善しなければならない。たとえ、今日改善されたとしても、さらなる改善をするぐらいに徹底する。彼は強くなるよ。自信がある」

 村田との敗戦で得た学びをバトラーは、ここからいかに飛躍していくのか。24歳の若きファイターの今後に注目したい。

構成●THE DIGEST編集部
 
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