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GⅠ初戴冠のマッドクールは伸びしろ十分! 一方、1番人気ルガルの惨敗は疑問も“切り捨て”は早計【高松宮記念】

THE DIGEST編集部

2024.03.26

ナムラクレア(左)との大接戦をアタマ差で制したマッドクール(奥)が初のGⅠ制覇を果たした。写真:産経新聞社

ナムラクレア(左)との大接戦をアタマ差で制したマッドクール(奥)が初のGⅠ制覇を果たした。写真:産経新聞社

 3月24日、春のスプリント王決定戦となる高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)が行なわれ、単勝6番人気のマッドクール(牡5歳/栗東・池添学厩舎)が2番人気のナムラクレア(牝5歳/栗東・長谷川浩大厩舎)をアタマ差抑えて優勝。重賞初勝利をGⅠの舞台で飾った。

 3着には逃げてレースを引っ張った5番人気、外国馬のビクターザウィナー(せん6歳/香港・C.シャム厩舎)が粘り込んで、短距離王国から参戦した意地を見せた。

 なお、1番人気に推されたルガル(牡4歳/栗東・杉山晴紀厩舎)は直線で伸びを欠いて10着に大敗。昨秋のスプリンターズステークス(GⅠ、中山・芝1200m)を制し、今回は3番人気となったママコチャ(牝5歳/栗東・池江泰寿厩舎)は、好位を進んだものの直線で失速して8着に敗れた。

 前日から雨に祟られ、土曜日最初の芝レースとなった第2レースから馬場状態は「重」。それ以上に悪化することはなかったが当日も小雨が降り続き、タフなコンディションのもとで『雨中の決戦』となった。

 ただ予想を難しくしたのは、直線でのコース取りがレースの結果を大きく左右していた点。確かに馬場の外目のほうが状態はいいのだが、芝が剥げて荒れている内ラチ沿いを通っても、外を通った馬と遜色ない伸びを見せていたことだ。ゆえに、いわゆる”外差し”は利きにくく、いかに距離をロスせずにインを突けるかが勝利への必須条件になっていた。
 
 レースはマッドクールが抜群のスタートを切って先頭を窺ったが、「逃げ宣言」をしていた香港のビクターザウィナーがその外から先手を主張し、逃げる形に持ち込んだ。2番手にウインカーネリアン(牡7歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が続き、3番手にはルガルや先手争いを控えたマッドクールとママコチャ。4番人気のトウシンマカオ(牡5歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)は先団のなかを進み、2番人気のナムラクレアは10番手のインをキープした。

 前半3ハロンの通過ラップは34秒9。「重」の馬場状態を考えれば先行有利のミドルペースだといえる。

 第3コーナー過ぎからタフな馬場状態にスタミナを奪われた馬が後退するなか、先頭で最終コーナーを回ったビクターザウィナーは進路を外に取ってゴールを目指すが、インコースの伸びを読み切った坂井瑠星騎手が手綱を取るマッドクールが内から突き抜けて先頭に立つ。そこへ強襲したのが、道中インの10番手付近で息を潜めて追走していたナムラクレアだ。2頭が馬体を併せながら息詰まる追い比べが展開されたがゴールの瞬間、マッドクールがナムラクレアをわずかにかわし、初のビッグタイトルを掴んだ。
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