バレーボール

窮地に陥ったミラノが大逆転勝利したワケ? ブロックを翻弄した仲間の“パイプ攻撃”に石川祐希も思わず興奮!【現地取材】

佳子S.バディアーリ

2024.03.27

ミラノの中心選手として戦う石川。試合後にインタビューに応じてくれた。写真:佳子S.バディアーリ

 バレーボール男子日本代表の主将・石川祐希にイタリアでまたしても凄い試合を見せられた。

 石川はアリアンツ・ミラノに所属する全4シーズンのプレーオフへ出場。新型コロナウィルス蔓延の沈静化を受けて2022-23シーズンから従来の5試合制に戻ったシリーズを今まさに戦っている。

【PHOTO】しなやかに舞う! 日本男子バレーが誇る"エース"石川祐希の厳選メモリアルフォトを一挙公開!

 昨季は準々決勝でレギュラーシーズン無敗だったペルージャを倒して4強入り。準決勝でチヴィタノーヴァに紙一重の差で敗れたが、チームの快進撃を支えた圧巻のパフォーマンスは、世界最高峰リーグに"強豪キラー"の呼び名をとどろかせることとなった。

 現在、今季の準々決勝は佳境へ。6位で出場のミラノは白星発進の後に2連敗で、3位ピアチェンツァに4強入りへ王手を許して第4戦を迎えた。取材に訪れたその試合は、2セットダウンであと1セットを譲れば敗退の窮地。もしも、このまま試合が進んだら石川に何を聞いたらいいんだろう...と頭をよぎった。だが、その心配は無用だった。そこから鮮やかな大逆転勝利を収め、第5戦へ望みをつないだのだ。

 歓喜の渦に包まれた本拠地が静けさを取り戻してから話を聞きたかった。試合終了からメディアやファンサービスに明け暮れた石川がイタリア公営放送のインタビューを終えたところで、目で合図を送ってくれた。
 
 疲れていないはずがない。「座りますか?」と尋ねると一度ソファーに腰を下ろしかけたが、「やっぱり、立ったままで」と立ち上がった石川に、まずはチームとしての戦いを振り返ってもらった。

「しっかりとフルセットでも勝つことができたので、それはひとつ良かったことだと思います。1、2セット目、嫌な取られ方をして、流れは向こうに行きかけたのですが、3セット目はなんとか踏ん張って、途中から入った(オスニエル・)メルガレホ選手が良い雰囲気を持ち込んでくれたこともあり、チームはよりひとつになれたと思います。第3セットを取ったことで自分たちのムードが好転し流れが良くなり、ピアチェンツァにプレッシャーをかけられたので勝つことができたと思っています」と総評。

 個人的には、「サーブはよかったと思います。レセプションはところどころミスがあったので、その辺は修正すべき部分かなと...。スパイクも決めるべき場面では決められたのですが、ストレートへ打って止められるケースがこの試合では非常に多かったので、そこを次戦までに修正したいです」と述べた。
 
NEXT
PAGE
「パイプが機能している時は非常に強い」と自信をみなぎらせる