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【名馬列伝】35年前、3度実現した至極の“芦毛対決”。タマモクロスvsオグリキャップは師走の中山を別世界に変えた<後編>

三好達彦

2023.08.01

1988年の天皇賞(秋)で直接対決したタマモクロス(左)とオグリキャツプ(右)。芦毛対決に東京競馬場は興奮に包まれた。写真:産経新聞社 

1988年の天皇賞(秋)で直接対決したタマモクロス(左)とオグリキャツプ(右)。芦毛対決に東京競馬場は興奮に包まれた。写真:産経新聞社 

 今回は「芦毛対決」と言われながらも、比較的取り上げられることが少ないタマモクロスにスポットを当てて、その蹄跡を振り返ってみる。後編では、同じ芦毛で飛ぶ鳥を落とす勢いのあったアイドルホース、オグリキャップと初めて対峙した1988年の東京競馬場での激闘からスタートする。

 10月30日、天皇賞・秋。オフホワイトの毛をまとった芦毛の超人気ホース2頭の直接対決という世紀の戦いが幕を開けた。

 入場ゲートの前で泊まり込むファンが多数現われたこの日の東京競馬場は、第1レースが始まる前からザワザワした雰囲気に包まれ、それはメインレースが近づくにつれて緊張感に変わり、競馬場全体が異様なまでの熱気に包まれていった。

 単勝1番人気はオッズ2.1倍でオグリキャップ、タマモクロスはそれに次ぐ2.6倍の2番人気で、直接対決の火蓋は切って落とされた。
 
 ゲートが開くと、タマモクロスは意表を突く先行策で2番手に付け、オグリキャップは中団にポジションを取る。レジェンドテイオーが1000mの通過が59秒4というやや遅めのペースを刻みながら直線へ向くと、その後ろで機を見ていたタマモクロスが堂々と先頭に躍り出る。

 それを見たオグリキャップが必死に追いすがろうとするが、1馬身1/4差の2着に迫るのがやっと。タマモクロスが古馬の意地を見せるように8連勝で天皇賞史上初の春秋制覇という快挙を達成した。ちなみに、1980年まで天皇賞を勝った馬は再度出走できない規則があった。
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