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ゴルフ

石川遼が挑む “半径2メートル” のアイアンショット。再び世界で戦うその日を信じ、作り上げる完成形のゴルフ

山西英希

2020.01.14

アイアンショットのピンそば2メートル。このエリアを掌握するために、石川はゴルフを大きく変えている。(C)Getty Images

アイアンショットのピンそば2メートル。このエリアを掌握するために、石川はゴルフを大きく変えている。(C)Getty Images

 シーズン3勝、賞金ランキング3位という成績だけを見れば、石川遼にとって2019年はそれほど悪いシーズンではなかったのかもしれない。むしろ、未勝利で賞金ランキング22位に終わった2018年と比べたら、“復活”という2文字で表現してもいいぐらいだ。しかし、石川自身が目指すゴルフの形を考えた場合、まだ復活というには早い気がする。

 昨年、石川は『2メートル以内』というワードをよく口にしていた。ピンを中心とした半径2メートルの円内に、アイアンで放ったボールを乗せることができるかどうかを意味する。言ってみれば、アイアンショットの好不調を見極めるバロメーターでもある。調子がよければ日に何度もその円内に乗せることもあったが、まったく乗らないことも珍しくなかった。

 なぜ、2メートルという数字にこだわったのか。それはシーズン開幕戦となった1月のSMBCシンガポールオープンまで遡る。予選ラウンドでメジャーチャンピオンであるセルヒオ・ガルシアと回ったときのことだ。石川がピンまで残り200ヤード地点から5メートルにつけたホールがあった。

「この距離から5メートルなら悪くない。いいショットを打てたな」と思っていると、似たような距離からガルシアがピンそば2・5メートルぐらいに乗せてきた。そのホールだけではない。残り距離に関係なく、ガルシアは常に半径2メートルの円を狙っていることに気がついた。
 
「200ヤードから5メートルに乗せたぐらいでナイスショットだと思ってはいけないんだなと痛感しました。もちろん、最初は抵抗ありましたよ。“十分ナイスショットじゃん!”という思いのほうが強かったですからね。でも、アイアンは得意なクラブだし、たとえ難易度が上がってもいいから挑戦しようと思ったんです」

 以来、石川と2メートル以内との戦いが始まる。単純にアイアンショットの精度を上げればいいというわけではない。ラフから打つよりもフェアウエーから打ったほうが、グリーン上にボールが止まりやすいので、ドライバーショットの方向性も問題となる。結果的に、ショット全体の底上げがテーマとなった。元々、スイングにはこだわるタイプだが、どのようにクラブを振れば、正確性が増すのか、特にダウンスイングからインパクトまでの動きは常にチェックしていた。その過程で優勝も経験し、納得のいくショットもあった。しかし、ようやく自分が目指すショットはこれだと感じたのは、9月26日から開催されたパナソニックオープンだろう。
 

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