専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

石川遼が挑む “半径2メートル” のアイアンショット。再び世界で戦うその日を信じ、作り上げる完成形のゴルフ

山西英希

2020.01.14

再びPGAツアーに戻りたい、そのために必要なものを備えている。石川はまだ道の途中だ。(C)Getty Images

再びPGAツアーに戻りたい、そのために必要なものを備えている。石川はまだ道の途中だ。(C)Getty Images

「今までは世界のトッププロが220ヤードぐらいからピンそばにつける姿を見ている立場でしたが、実際に自分にもできたことは自信になりましたし、大きな収穫だと思います」とラウンド後に語っていた石川。この日に限っていえば、まさにワールドクラスのショット力だった。他人から何を言われようが、自分の信念に基づいたスイングづくり、ショットへのこだわりを持ち続けてきたからこそ、生まれたショットだと言える。もちろん、そこにはもう一度世界の舞台で戦いたいという執念が宿っている。

「以前にPGAツアーに挑戦したときは、甘く見ていたわけではありませんが、正直準備が足りなかったと思います。同時に、自分がどういうレベルのツアーで戦うのかという自覚も足りませんでした。だからこそ、次に挑戦する機会を得たときのために、今はしっかりとした準備をしておきたいんです」
 
 アイアンショットの精度が上がったからといって、単純に結果を出せるほど、PGAツアーは甘い世界ではない。ドライバーショットの飛距離や正確性はもちろん、アプローチやパッティングといった小技の精度も求められる。すべてを同時にレベルアップしなければ、世界にはいつまでたっても近づくことはできない。

 それを理解したうえで、まずは自分が得意とするアイアンショットの精度を上げることに昨年は終始した。2メートルという壁を完全超えたわけではないが、超えるきっかけはつかむことができた。

 今月中旬(1月16~19日)には、その課題を与えられたSMBCシンガポールオープンを迎える。この1年でどれだけピンに近づくアイアンショットを打てるようになったのか。その結果次第では、世界で戦えるチャンスも見えてくるだろう。石川にとって勝負となる2020年のシーズンがもうすぐ始まる。

文●山西英希
プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号