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田中希実が11秒以上もぶっちぎる独壇場! ”パリ内定済”の5000mで圧巻の3連覇!2時間前には800mでスーパー高校生・久保凛と熾烈な先頭争いも【陸上・日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.06.29

田中は5000mで2位以下を大きく引き離し独走Vを飾った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

田中は5000mで2位以下を大きく引き離し独走Vを飾った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 まさに独り舞台といえる完勝劇だ。

 パリ五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権が新潟市・デンカビッグスワンスタジアムで3日目が行なわれ、女子5000m決勝に田中希実が登場。すでにこの種目のパリ五輪代表を内定している中長距離界のエースが2位以下に11秒以上つける15分23秒72で駆け抜け、3連覇を成し遂げた。

 前日の1500mで優勝を果たし、参加標準記録も突破して2種目でのパリ切符を獲得した田中。この日はレースの約2時間前に800mにも出場し、急成長を遂げる16歳のスーパー女子高生・久保凛と熾烈な先頭争いを繰り広げて会場を沸かせた。

 専門距離に戻った田中は序盤は後方で待機すると、2周目から先頭との距離をじりじり詰めていき、3周目前で早くもトップに立つ。ぺースを崩さず主導権を握りながらレースを進めると、残り5周で後続との差を一気に広げてどんどん突き放す。

 残り2周過ぎに2位集団がペースアップするも、田中はギアをさらに一段階上げてスピードを上げてラストスパートをかける。他をぶっちぎる圧倒的なスピードで最後まで力強く腕を振った24歳がトップを譲ることなく独走したままフィニッシュした。
 
 今大会は2年ぶりに800m、1500m、5000mの3種目にエントリーし、体力的にも厳しいスケジュールをこなすなか力強い走りを発揮。開幕まで1か月を切ったパリ五輪に向けて弾みをつけた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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