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“持続可能なエコ五輪”に疑問…「組織委の野心は問題に直面」と仏メディア「食堂、冷房、ベッドに不満」「大会のCO2削減の主張を環境保護団体が非難」【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.08.04

“エコ五輪”とも称されるパリ大会。それでも選手村について、各国選手からさまざまな批判が出ている。(C)Getty Images

“エコ五輪”とも称されるパリ大会。それでも選手村について、各国選手からさまざまな批判が出ている。(C)Getty Images

「パリ五輪の選手村は、大会組織委員会がこれまでの五輪で最も持続可能になるよう設計した。しかしアスリートは、ベジタリアン中心の食堂、限られた空調設備、段ボールベッドについて、さまざまな意見を持っている」

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 パリ五輪を通じて大会組織委員会が目指しているCO2排出量の半減について、仏メディア『42mag』は「しかし、この野心は問題に直面している」とし、結果的にアスリートから否定的な意見が噴出していると伝えた。

「大会前の6月に食堂で行なわれたプレオープンで組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は、ベジタリアンメニューを増やすことで、これまでの五輪と比べて平均CO2排出量を半減させたいと強調した。さらに美食で知られる国のホストとして、各国選手団を失望させないことを約束し、調理担当企業と協力するアドバイザーとして、ミシュランの星を獲得したシェフを数人雇用した」

 それでも選手村がオープンすると、アスリートから料理に対して非難の声が挙がった。同メディアによると、フードホールには世界中の料理を提供する6つのダイニングスペースがあり、毎日提供される50種類の料理のうち、半分は100パーセントのベジタリアンだという。これに満足している選手がいる一方、とくに卵料理や肉のグリル料理が足りないという声が大きく響き渡り、担当企業は料理の量を増やす対応に迫られた。
 
 住環境も問題となった。「大会後に集合住宅に建て替えられる選手村の部屋には、エアコンが設置されておらず、代わりに床下冷却システムが設置されている。しかし、熱波に直面した各国選手団は“自費”でエアコンを導入した」と、同メディアは暑さが選手たちを苦しめていると記載。さらに「革新的な段ボールベッド、漁網などの再生プラスチックで作られているマットレスにも苦情が出ていた」とも伝えた。

 組織委員会はベッドを含む多くの設備が後にリサイクル、または再利用できるようにするなど、持続可能性を高めようと熱心に取り組んでいる。こうした環境保護の取り組みを評価している選手もいるなか、「しかし環境保護団体は、CO2排出量が削減されるという組織委員会の主張を批判している」と、同メディアはパリ五輪の基本方針に疑問を投げかけた。

 はたして組織委員会は大会後、どのようにパリ五輪を総括するのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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