格闘技・プロレス

【新日本G1】引退した”師匠”小川良成への想いを胸にザック・セイバーJr.が外国勢2人目の優勝「ノア道場での日々を称えるため頂点に立つ!」

どら増田

2024.08.19

外国勢で史上2人目となるG1制覇を成し遂げたザック。試合後にはノア時代の恩師へ感謝を述べた。写真:新日本プロレスリング

 新日本プロレスは真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス34』最終戦8.18東京・両国国技館大会2連戦2日目を開催した。

 メインイベントでは、Aブロックを勝ち上がったザック・セイバーJr.と、Bブロック3位から決勝に進出した辻陽太がファイナル(優勝決定戦)で激突。試合は激戦の末、プロレスリング・ノア時代の師匠で先日引退を表明した小川良成の得意技である4の字ジャックナイフ固めまで繰り出したザックが最後は辻のラリアットをかわしてから腕を固め、さらに足もロックして辻は動けなくなりタップアウト。ザックがケニー・オメガ以来、8年ぶり2人目の外国人優勝者となった。

 試合後、マイクを握ったザックは「勝ちましたー!最初は、ヨシナリ・オガワ、小川先輩、プロレス人生お疲れ様でした。全部ありがとうございました」と言って頭を下げた。続けて、「小川さん! 俺はやりました!! 」と小川に対して感謝の意を英語で述べると、再びすべて日本語で「最初は、『G1』優勝した。じゃあ...1.4はちょっと遠いね。ちょっと、ちょっとね。ザックは両国が一番好きだよ。じゃあ、両国タイトルマッチがいいと思う。だから、次の両国大会、いつだっけ?10月14日、『Road to KING OF PRO-WRESTLING(2024)』、ザック、IWGP世界ヘビー級、挑戦するー!!」と声高らかに宣言した。

 さらに、「ごめん、ちょっと日本語忘れた。頭痛いよ。じゃあ、今日はとりあえずみんなありがとう!以上!」と例年ならG1覇者には翌年の1.4東京ドーム大会での挑戦権が与えられるが、これを前倒しにして、10.14両国大会での挑戦をアピール。自身への大きな声援に感動したのか、ザックは客席に雪崩れ込んでファンと喜びを分かち合ってからバックステージへ戻った。
 
 バックステージでTMDKのメンバーと祝杯をあげたザックは「これが俺の最終目的じゃない。俺の最終目的は…ここにいられるというだけで、俺は満足してない。俺は日本で最高のレスラーになるためにここにいるんだ。そしてそれは今年でなければいけなかった。今年しかなかった。G1... G1はステップその1だ」と力強くコメントする。

 そしてザックは日本語と英語を織り交ぜながら、タイトルマッチへ持論を展開する。

「次は、IWGP世界ヘビー級チャンピオン。ステップ3、東京ドームのメインイベント。みな、ステップ2と3をセットで考えていると思う。でも、ファンとしての俺は、東京ドームのタイトルマッチまで待つなんて、退屈だしバカげてると思う。本当に面白くない。面白くないよ。わがままだが、8年ニュージャパンで過ごし、20年この業界で過ごしたんだ。これ以上待てない。それに両国でなきゃ。ファンサービスっていうだけではなく、世界で一番、ここでレスリングをするのが好きなんだ。両国国技館みたいな会場はどこにもない」

 両国大会での挑戦表明をした理由を語ると、「それに『Royal Quest IV』(10.20イギリス・ロンドンのクリスタル・パレス国立スポーツセンター大会)が発表された。英国のファンをないがしろにするようなことはしたくない。IWGP世界ヘビー級王者として英国に帰り、『Royal Quest IV』で防衛戦ができたら素敵だと思う」と10.14両国で王座を戴冠したうえで、母国に凱旋して防衛戦を行なうことまで描いている。
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恩師への想いを吐露「彼以上にクールに引退できる人なんていないね」