８月31日、プロボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一王者・井上尚弥（大橋）と元IBF同級王者テレンス・ジョン（TJ）・ドヘニー（アイルランド）が神奈川県・横浜市内のホテルで事前記者会見に揃って出席。９月３日に東京・有明アリーナで実施される防衛戦への意気込みを語った。なお、試合はNTTドコモの映像配信サービス『Lemino』で独占無料生配信する。

　井上は「すべてのトレーニングを順調にこなすことができて、すごく良い状態に仕上がっているので、９月３日を楽しみにしている」と万全の調整をアピール。「自分の中で納得する試合をしたい」と口調は落ち着いていたが、熱い闘志を胸に秘めているかのようだった。一方のドヘニーは「ベルトを取り返す。歴史を作るために来た」と、こちらも強い意欲を示した。

　質疑応答で打撃戦に応じるか問われた井上は、「ここで作戦を言っちゃいますか？」と苦笑い。「その場の流れというか、まずは作戦通りというか...しっかりとプランを立てているので、戦いながらその中で状況を把握しながら戦いたい」と話すにとどめた。

　ハードパンチャーといえるドヘニーの印象を聞かれると、「ファイトスタイル自体は少しずつ変わってきていると思う。パフォーマンス的には仕上げてきて、非常に怖い試合をする」と警戒を示すものの、「自分も楽しみにしている」と拳を交えることに喜びを表した。
  　公開練習時には、「判定決着は許されない」という気になる発言があった。「ドヘニーは体も見るからにデカいですし、当日も僕以上にリカバリーをしてくる。そんな相手だからこそ、KOしたいと思う」と話し、その意図を説明。「もちろんKOだけじゃなく、判定決着でもボクシングの魅力を伝えられる。KOでも判定でも、どちらでも準備をしている」と自信を示した。

「このスーパーバンタム級で戦うなかで避けられない一戦。それが今回の相手がドヘニーだったということ。自分としてはドヘニーの実力を軽く見ていない。皆さんが言うほど、簡単な試合になるとは思っていない」

　27戦27勝（24KO）を誇る井上。無敗を誇るモンスターに油断は一切なく、見据えているのは”勝利”という２文字だけだ。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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