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格闘技・プロレス

井上尚弥、9.3ドヘニーとの防衛戦は「変わったボクシング」を示唆。ネリ戦での“プロ初ダウン”が「また強くなれた」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.09.01

井上(左)は9月3日にドヘニー(右)との統一戦に臨む。前回のネリ戦で喫したダウンについて語る場面があった。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

井上(左)は9月3日にドヘニー(右)との統一戦に臨む。前回のネリ戦で喫したダウンについて語る場面があった。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が8月31日、神奈川県・横浜市内のホテルで9月3日に行なわれる防衛戦(東京・有明アリーナ)に向けて、試合前最後の記者会見に臨んだ。

 会見には挑戦者のテレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)も出席。井上は「今回が初めて会うわけではないので、印象は変わらずです」と話す。試合への意気込みには「こうして4つのベルト、4団体の防衛戦ができることを誇りに持ち、必ず自分の中で納得する試合をこなしていきたい」と言葉に力を込めた。

 対峙するドヘニーのスタイルを問われると、「すごく良いパフォーマンスで仕上げてきて非常に怖い試合をする選手」と評し、「体は見るからにデカいし、当日は僕以上にリカバリーしてくると思う」と警戒も。ただ、そんな相手だからこそKOしたいと宣言し、「ボクシングの魅力はKOだけでなく、判定決着でも伝えられる。KOでも判定でも、どちらも準備している」と自信を覗かせる。
 
 前回、5月6日の東京ドームではルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちを収めたが、初回にまさかのプロ初ダウンを奪われた。序盤の入り方を問われた井上は、「それに対しての対策はないですけど、あの1ラウンドがあったからこそ、自分はまた強くなってボクシングに対する向き合い方も非常に変わりました。非常に良い経験をした1ラウンドだと思っている」と話し、決してマイナスには捉えていない。むしろ、もう一段階進化するうえで大事なステップだったと振り返り、「それがプラスにできるように、次の9月3日は慎重に、変わったボクシングをしたい」と表情をキリっと引き締め、新スタイルを示唆した。

 現在、井上は27勝(24KO)無敗。現階級に転向して、ドヘニー戦で4戦目を迎える。対する挑戦者のドヘニーは26勝(20KO)4敗で、現在3連続KO勝ち。5年ぶりの世界王座奪還を狙う強打のサウスポーだ。無敵の日本人王者は今回の闘いを「スーパーバンタム級で戦うなかで避けられない一戦」と位置づけ、「自分としてはドヘニーの実力を軽く見ていない。皆さんが言うほど、簡単な試合になるとは思っていない」と言い切り、慢心は一切ない。

 東京ドーム決戦から、約4か月。さらに進化したモンスターは、どんな姿を披露するのか。大いに期待だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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