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格闘技・プロレス

王者・武居由樹がWBO世界バンタム級初防衛に成功! 比嘉大吾との日本人対決は判定決着も、壮絶な打ち合いに会場熱狂

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.09.03

初防衛戦の武居(右)は比嘉(左)との激しい打ち合いを判定で下した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

初防衛戦の武居(右)は比嘉(左)との激しい打ち合いを判定で下した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 プロボクシングのWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)が9月3日、東京・有明アリーナで同級1位の元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)と初の防衛戦を行ない、武居が判定勝ち(3-0)を収めタイトル防衛に成功。これで10戦10勝(8KO)と、破竹の連勝街道は止まらない。

 注目の日本人対決は28歳のチャンピオンに軍配が上がった。1回はお互い距離をとって牽制しつつ、比嘉が武居の懐に飛び込み、左フックが顔面をかすめる。2回には比嘉の左パンチに武居がグラつく場面もあったが、そのあと王者の左アッパーがヒットし、2分過ぎにも武居の左アッパーから右フックが決まる。

 両者の激しいパンチの応酬は続く。武居が左アッパーを繰り出せば、比嘉が左フックを返す。中盤の打ち合いでは比嘉の左フックがヒットし、武居は遠い距離から強いワンツー、左アッパーを決める。

 終盤の9回には激しい打撃戦に突入する。武居をロープに押し込んで比嘉が左右フックを乱打する。武居もアッパーで返すが、壮絶な打ち合いは比嘉が押し切り、武居はロープ際で逃れられず。終了間際には比嘉の強烈な右フックを武居はもらい、スリップ気味に崩れてダウンをとられる。

 このまま比嘉が有利かと思われたが、最終12ラウンドにダメージが蓄積した挑戦者の動きが急に鈍り、武居が猛ラッシュを仕掛ける。比嘉は手が出ずクリンチに逃げるが、王者は距離を詰めてパンチの手数をボディ、顔面へと浴びせてポイントを奪う。終了のゴングが鳴ると、両者は抱き合い互いの健闘を称えた。
 
 日本人初のK-1王者&プロボクシングの世界王者となった武居。この日はダブル世界戦のセミファイナルを務め、メインには同じ大橋ジムで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が元IBF同級王者のテレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)と2度目の防衛戦に臨む。ひと足先に王座防衛に成功し、先輩に向けて強烈な援護となった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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