競馬

ぶっつけ参戦も“道悪巧者”で問題なし! 春の短距離王マッドクールを信頼。一方で「香港の刺客」には10年前の再現を予感も【スプリンターズS】

三好達彦

2024.09.29

今春の高松宮記念を制したマッドクール。道悪でも本領を発揮できる。写真:産経新聞社

 9月29日、秋のGⅠシーズン開幕を告げるスプリンターズS(中山・芝1200m)が開催する。

 昨年の覇者ママコチャ(牝5歳/栗東・池江泰寿厩舎)、今春の高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)を制したマッドクール(牡5歳/栗東・池添学厩舎)が顔を揃え、上がり馬のサトノレーヴ(牡5歳/美浦・堀宣行厩舎)、スプリント王国の香港から2騎が参戦するGⅠらしい好メンバーが参集した。

 ただし、天気予報によると良馬場での施行は望めない雲行きで、降雨量が多ければ「重」、少なくても「稍重」程度には悪化することを想定して、予想のファクターに加えねばならないだろう。

 力量上位は4頭。枠が内の馬からナムラクレア(牝5歳/栗東・長谷川浩大厩舎)、ママコチャ、マッドクール、サトノレーヴだと見るが、主軸として取り上げたいのはマッドクールだ。

 昨年はCBC賞(GⅢ、中京・芝1200m)を9着とし、3か月の休養を挟んで臨んだスプリンターズステークスでママコチャとはハナ差の2着に惜敗。その後、香港スプリント(GⅠ、シャティン・芝1200m)を8着に敗れたあと、3か月の休養を経て出走した今春の高松宮記念でナムラクレアをアタマ差抑えてGⅠウィナーの仲間入りを果たした。

 マッドクールその後、4月のチェアマンズスプリント(GⅠ、シャティン・芝1200m)ではまたも11着に大敗。今回はそれ以来、5か月ぶりのぶっつけ参戦となる。
 
 大敗したあとで5か月の休養明けとなるマッドクールをなぜ推すのか。それは、ひとえに過去データの優秀さによる。

 CBC賞(9着)→スプリンターズステークス(2着)→香港スプリント(8着)→高松宮記念(1着)と、GⅠでの連対は2度とも大敗からの巻き返し。その両方が休養明けで、レース間隔が空くことはまったく問題ない。

 また、重馬場成績は高松宮記念を含めて〔2・0・0・0〕で、道悪は得意なタイプ。中山のコース実績も〔1・1・0・0〕と100%連対と、データ的にはマイナス要素が探しづらいとさえ言える非凡さを示している。流れに左右されず先行できるのも有利な材料で、ここは迷わず主軸に推したい。
NEXT
PAGE
ナムラクレア、サトノレーヴ、ママコチャの3騎も侮れない