格闘技・プロレス

桜井麻衣、ボジラ、Sareee…そして林下詩美! ジュリアが去ったマリーゴールドに次々と生まれる新展開。いよいよ“本命”が「完全復活」を叫ぶか?

橋本宗洋

2024.10.01

団体初のシングルリーグ戦「DREAM STAR GP」を制した林下。写真:橋本宗洋

 今年5月に旗揚げした女子プロレスの新団体マリーゴールドの魅力は"まだ魅力が定まっていないこと"だろう。

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 代表を務めるのは、かつてスターダムを創設したロッシー小川氏。だがスターダムを退団した選手が主力ということでもない。

 マリーゴールドには、これまで数々の人気選手を輩出してきたアクトレスガールズからもトップ選手、有望新人が移籍。さらにスターダム、シードリングなどで活躍するフリーのSareeeがジュリアを下して"真紅のベルト"ワールド王座を獲得している。

 大会ごとに新鮮なカードが実現し、その結果が新たな光景を生む。ジュリアがアメリカ・WWE入りしたこともあり、絶対的な主役がいないからこそ面白いのが現時点でのマリーゴールドだと言えるだろう。

 8月末からスタートした団体初のシングルリーグ戦「DREAM STAR GP」にもさまざまなポイントがあった。ワールド王者のSareeeが充実した闘いぶりを見せるも、9月28日の最終戦でマリーゴールド初黒星。決勝進出を逃すことに。

 Sareeeに勝ったのは旗揚げ戦から強烈なインパクトを残し続ける"大怪獣"ボジラ。ドイツ出身で181cm、91kgの体躯から繰り出す攻撃はとにかくパワフルだ。

 強豪ひしめく中でブロック突破を果たしたのは桜井麻衣。アクトレスガールズからスターダムに移籍してきた頃は、ジュリア曰く「何もできない」選手だった。そこからジュリアの元で猛練習に励み、マリーゴールドでは初代タッグ王者に。ジュリアの日本ラストシングルマッチの相手を務めてもいる。

 リーグ戦ではSareeeに敗れたものの高橋奈七永、ボジラに勝っている桜井。「もっと強くなりたい、上に行きたい」とスターダム退団と新団体参加を決意した、その覚悟が形になった。

 そんな桜井の快進撃を止め、優勝を果たしたのが林下詩美だ。天麗皇希とのブロック最終戦、そして桜井との決勝とパワフルでスケールの大きな闘いを見せた。タックルやラリアット一発で観客をどよめかせるファイトが真骨頂。

 決勝では桜井の猛攻に苦しんだものの、トーチャーラックボムを豪快に決めて3カウント。終わってみれば"本命"のひとりが優勝したのだと言える。
 
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少し前までなら林下と桜井の間には明確な実力差があったが…