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「サーファーが罰金や投獄の対象」香港の神童、将来はスイスから五輪出場? “サーフィン禁止令”の強化を地元紙が憂慮「有望なスターを失うのは残念」

THE DIGEST編集部

2024.11.28

写真は今夏のパリ五輪に出場した香港代表の選手。(C) Getty Images

 中国の特別行政区・香港の英字新聞『南華早報』は、「香港がサーフィン禁止を強化、10歳のサーフスターがスイスの代表チームに参加を余儀なくされた」と報道。香港出身のマホヒ・グエン・タン(10歳)が、両親の故郷であるスイスから五輪に出場する可能性を報じた。
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 同メディアは「大浪湾(ビッグウェーブベイ)は香港で唯一、波に乗れるビーチだ。政府は泳いでいる人を危険にさらす恐れがあるとの理由から、公共ビーチでのサーフィンをこれまで許可したことがなかった。しかし、最近までは、この禁止令は厳格に施行されることはなかったのだが、ある時から、サーファーが罰金や投獄の対象になるようになった」と香港の現状を伝えた。

 その上で、同メディアは「タンは香港に住んでいるが、香港には(サーフィンの)ナショナルチームがないため、スイスのジュニアナショナルサーフチームに参加する予定」と綴り、また今年7月に同国のサーフチームの練習生として招待されたことを伝え、さらに「(スイス代表の)コーチはたった1回のセッションで彼に(スイス代表)チームへの参加を申し出た」と明かした。

 同件について、タン選手の父親は、同メディアに「(スイスでの)サーフィンをスタートして以来、彼のレベルは爆発的に向上した」と語っている。
 
 さらに香港の特別行政区立法会議員を務めるエイドリアン・ホー氏は、「香港が将来有望なスターを失うのは残念だ」と同メディアで述べ、政府のスポーツに対する姿勢には「困惑している」と付け加えた。

 また同議員は「香港でサーフィンをする人を知っていますし、このポイントでずっとサーフィンをしている愛好家も知っている。でも、禁止されていることがわかりました。知りませんでした。今その事実を知ったので、闘うつもりです。香港政府がこのスポーツにこのような制限を課していることに非常に驚いています」と語ったことを報じている。

 同メディアは、10歳のタン選手について「将来いつかオリンピックでスイス代表として出場する候補に挙がることはほぼ間違いないだろう」と予測し、また「スイスは神童を国家の代表として迎え入れることで、スイスが脅威となる新しいスポーツが生まれるかもしれない」と指摘している。

構成●THE DIGEST編集部

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