マクラーレンは昨季、1998年以来となるF1コンストラクラーズタイトルを獲得したが、2か月後に開幕する新シーズンでは、ドライバーチャンピオンシップにおいてもチャンピオン候補として挙げられている。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が4連覇を飾っている中で、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの2人は有力な挑戦者として新たな戦いに臨むことになるが、多くの有識者や各国メディアは、有能で能力に大差のない同じチームのドライバーが優勝を狙えるマシンを得た際に起こり得る問題に言及することを忘れていない。
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チームメイト同士の対決に関する「パパイヤルール」も話題にもなった両者が、仮に今季、互いにドライバーチャンピオンシップにおける最有力候補同士となった場合には、よりバトルや駆け引きが熾烈さを増すことは必至であり、それが思わぬ問題を引き起こすことは十分に予想できる。
マクラーレンといえば、かつてアイルトン・セナとアラン・プロストによる確執が世界中の注目を集めた過去が思い出される。1988年に2人の天才が邂逅して圧倒的な強さを発揮したが、翌年サンマリノGPでの再スタートでセナがプロストをトサ・コーナーで追い抜いたことが「紳士協定」を破ったとして、すでに2度の世界王者となっていたフランス人ドライバーの怒りを買い、そこから歴史に残る対立が始まった(88年にもポルトガルGPでのセナによる幅寄せなど、確執の兆候はあったが)。
その後、日本GPではシケインで接触し復帰してトップチェッカーのセナが失格、そしてリタイアのプロストが世界一決定という形で決着を迎え、後者はこのシーズン限りでマクラーレンを離脱(フェラーリ移籍)。そして翌年の鈴鹿でも、両者はスタート直後の1コーナーで互いに譲らずコースアウトし、今度はセナが雪辱を果たすという、2年連続でF1は後味の悪い結末を迎えている。
当時、マクラーレンを率いていたロン・デニス代表は、マシンの性能向上よりも両ドライバーのマネジメントに大半の力を注ぐことを強いられたといわれているが、今度はアンドレア・ステラ代表が同じく難を味わうことになるのではないかというのが、多くの関係者による懸念である。
しかしこれに対して当のピアストリは、偉大な先輩たちによるトラブルの二の舞は避けられると確信しており、オランダのF1専門メディア『RN365』のインタビューで、自分たちが適切な対応ができていると強調した。
「F1は当時(1980、90年代)とは全く違う。当時はドライバーも個性的で対立が多かったが、今ではチームやドライバー間のコミュニケーションは進化している。僕たちはコース上で接近したり、意見が分かれたりした場合でも、感情的にこじれることなく、話し合いで必ず解決できている。そして振り返ってみると、その決定は全て理に適ったものだ」
「チームとしてのこういったことに対する取り組みに問題はないと思う。アンドレア(・ステラ代表)の強みのひとつは、人を活かす力や難しい問題への対処方法だと僕は見ている。僕たちが、セナとプロストのようにワールドチャンピオンの座を勝ち取ることができれば素晴らしいが、そこで当時と同じような事件が起こることは想像できない」
とはいえ、タイトルが互いの目の前に置かれた状況では、そのような冷静さを保つことが簡単ではないのは、現在のチャンピオンたちやそのライバルたちの言動からも明らかである。これについて、23歳のオーストラリア人ドライバーは「チームメイト同士で勝利を争う時に衝突が起こるのは避けられないが、その時にどう対処するかが大切だ。そして、これまでのところは、そうした対処を必要とするような問題はほとんど起きていない」と語った。
そして、「もちろん僕はアイルトンにも、現役時代のアランとも会ったことはない」と、この歴史的なライバル同士の当時の関係性は知らないことを強調した上で、「ランドと僕に関しては、それぞれが行動で協力的な姿勢を示しているし、チーム全体とも調和した関係を築けている」と、自身とノリスについては良好な関係にあることに自信をみせている。
構成●THE DIGEST編集部
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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が4連覇を飾っている中で、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの2人は有力な挑戦者として新たな戦いに臨むことになるが、多くの有識者や各国メディアは、有能で能力に大差のない同じチームのドライバーが優勝を狙えるマシンを得た際に起こり得る問題に言及することを忘れていない。
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チームメイト同士の対決に関する「パパイヤルール」も話題にもなった両者が、仮に今季、互いにドライバーチャンピオンシップにおける最有力候補同士となった場合には、よりバトルや駆け引きが熾烈さを増すことは必至であり、それが思わぬ問題を引き起こすことは十分に予想できる。
マクラーレンといえば、かつてアイルトン・セナとアラン・プロストによる確執が世界中の注目を集めた過去が思い出される。1988年に2人の天才が邂逅して圧倒的な強さを発揮したが、翌年サンマリノGPでの再スタートでセナがプロストをトサ・コーナーで追い抜いたことが「紳士協定」を破ったとして、すでに2度の世界王者となっていたフランス人ドライバーの怒りを買い、そこから歴史に残る対立が始まった(88年にもポルトガルGPでのセナによる幅寄せなど、確執の兆候はあったが)。
その後、日本GPではシケインで接触し復帰してトップチェッカーのセナが失格、そしてリタイアのプロストが世界一決定という形で決着を迎え、後者はこのシーズン限りでマクラーレンを離脱(フェラーリ移籍)。そして翌年の鈴鹿でも、両者はスタート直後の1コーナーで互いに譲らずコースアウトし、今度はセナが雪辱を果たすという、2年連続でF1は後味の悪い結末を迎えている。
当時、マクラーレンを率いていたロン・デニス代表は、マシンの性能向上よりも両ドライバーのマネジメントに大半の力を注ぐことを強いられたといわれているが、今度はアンドレア・ステラ代表が同じく難を味わうことになるのではないかというのが、多くの関係者による懸念である。
しかしこれに対して当のピアストリは、偉大な先輩たちによるトラブルの二の舞は避けられると確信しており、オランダのF1専門メディア『RN365』のインタビューで、自分たちが適切な対応ができていると強調した。
「F1は当時(1980、90年代)とは全く違う。当時はドライバーも個性的で対立が多かったが、今ではチームやドライバー間のコミュニケーションは進化している。僕たちはコース上で接近したり、意見が分かれたりした場合でも、感情的にこじれることなく、話し合いで必ず解決できている。そして振り返ってみると、その決定は全て理に適ったものだ」
「チームとしてのこういったことに対する取り組みに問題はないと思う。アンドレア(・ステラ代表)の強みのひとつは、人を活かす力や難しい問題への対処方法だと僕は見ている。僕たちが、セナとプロストのようにワールドチャンピオンの座を勝ち取ることができれば素晴らしいが、そこで当時と同じような事件が起こることは想像できない」
とはいえ、タイトルが互いの目の前に置かれた状況では、そのような冷静さを保つことが簡単ではないのは、現在のチャンピオンたちやそのライバルたちの言動からも明らかである。これについて、23歳のオーストラリア人ドライバーは「チームメイト同士で勝利を争う時に衝突が起こるのは避けられないが、その時にどう対処するかが大切だ。そして、これまでのところは、そうした対処を必要とするような問題はほとんど起きていない」と語った。
そして、「もちろん僕はアイルトンにも、現役時代のアランとも会ったことはない」と、この歴史的なライバル同士の当時の関係性は知らないことを強調した上で、「ランドと僕に関しては、それぞれが行動で協力的な姿勢を示しているし、チーム全体とも調和した関係を築けている」と、自身とノリスについては良好な関係にあることに自信をみせている。
構成●THE DIGEST編集部
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