元新日本プロレスの西村修さんが2月28日、食道がんにより急逝した。53歳没。西村さんは1991年4月21日の新日本プロレス沖縄大会で、飯塚孝之（現高史）戦でデビュー。金本浩二とのタッグで、山本（天山）広吉＆小島聡とのヤングライオン時代のタッグマッチは、新日本前座の風物詩で、『G1クライマックス』では第3試合に抜擢されたこともある。

【画像】新日本の歴史を作ってきたレジェンドレスラーたちが集結
　新日本時代は小島とのタッグや、中西学との抗争が盛り上がっており、中西がアルゼンチンバックブリーカーに行ったところを西村さんがスリーパーで締めて、どちらが勝ったのかわからないなんていう場面もあった。海外遠征も経験し、ヒロ・マツダ氏に師事するなど、甘いマスクから当時現場監督だった長州力監督からは次世代のスター選手として帰国命令を出すもこれを拒否。ここで長州氏とは犬猿の仲となってしまう。

　ヨーロッパでは、リングスで活躍したクリス・ドールマンに通ってレスリングを叩き込まれた。そんな矢先、レスリングに特化した新日本の新ブランド『無我』の旗揚げを考えていた藤波辰爾と意気投合。2人をメインに新日本に所属しながら『無我』を旗揚げさせる。道場時代の師匠でもある馳浩のノーザンライト・スープレックスを必殺技に、藤波仕込みのレスリングも取り入れて、レスラーとして独自の色を出していく。

　しかし1997年のアントニオ猪木引退記念大会では、敗れはしたが橋本真也氏とのタッグで、武藤敬司＆蝶野正洋のnWo JAPAN相手に存在感を示すと、猪木氏の引退セレモニーでは、自ら張り手を志願した。1998年に最初のがんが発覚。東洋医学での完治を目指し、復帰に成功している。復帰後もいわゆる長州派の選手とは噛み合わず、特に佐々木健介氏とは抗争にも発展している。

　2000年にはフロリダに渡り、カール・ゴッチ、ドリー・ファンク・ジュニアに師事。ドリーとは自身が亡くなるまで交流を続けており、今年はともに電流爆破のリングにも立っている。2001年に藤波とのタッグでIWGPタッグ王座を奪取すると『無我』の活動も活発となり、2006年には田中秀和リングアナとともに体制が変わりつつあった新日本を退団。藤波も合流し『無我ワールド・プロレスリング』を旗揚げする。

　藤波とプロレスリング・ノアに参戦し、三沢光晴氏と対戦したりもしたが、旗揚げから１年が経ち、西村さんは征矢学とともに武藤率いる全日本プロレスに移籍してしまい、藤波とは泥仕合に突入。今年の1.31後楽園ホール大会で、藤波が西村さんの代打を買って出たことで、『無我』を勝手に商標登録したとされる西村さんと藤波の関係も対面こそ実現しなかったが、ギリギリ修復された。

　藤波はマット界に「NG」がないことで有名だったが、西村さんの話になると顔を強張らせるなど、商標登録の件は団体移籍なども相まって、かなり許せないことだったようだ。ちなみにノアに移籍した征矢とは昨年、タッグを結成し和解している。西村さんは2010年に政治の道との二刀流を歩き出すが、がんが再発し晩年は病との闘いだった。吉江豊氏に続く第三世代の訃報は寂しい限り。まだ現役の選手たちにはまだまだ頑張ってもらいたい。

取材・文⚫︎どら増田
【記事】棚橋弘至と最後の一戦を控える真壁刀義「新日本プロレスの原点、すげえもんだろって、それを知らしめてやるよ」

【記事】大病克服のELPがTV王者奪取！ 敗れたコブは新日本離脱を示唆「別の場所に行く時が来たのかもな」

【記事】「綺麗な顔」「妖精みたい」北斗晶が手繋ぎデート中に遭遇した“日本の女優”に感激！「とってもいいお母さんなのよ～」