F1レッドブルから今季フルシーズンデビューを果たしたリアム・ローソンの不振について、元F1ドライバーのカルン・チャンドック氏はチームが開幕までにローソンに対して十分な準備の機会を与えることができていなかったことが理由だと主張した。専門メディア『GPblog』が現地３月24日に報じた。

【動画】角田裕毅がアンダーカットでアントネッリの前に出るシーン 　ローソンは今季、開幕２戦を終えていまだノーポイントであるばかりか、予選ではスプリントを含め全てのレースでＱ１敗退、レースでは３人の失格処分で自動的に順位が繰り上がった第２戦中国ＧＰ決勝の12位が最高位と苦しんでおり、早くもドライバー交代の噂まで流れている。

　ローソンが苦戦を強いられているなか、チャンドック氏は、もしレッドブルが昨季ローソンをシーズン終了までテストドライバーとしてレッドブルマシンでの経験を積ませる準備期間に充てていたとすれば「より良い準備ができただろう」との考えを紹介。ローソンはレーシングブルズ（当時アルファタウリ、RB）から代役参戦した2023年～24年の11レースでF1での出走経験を積んだものの、レッドブルのマシンを走行する機会は限定されていたことを示唆した。

　一方で今季F1デビューを飾ったキミ・アントネッリ（メルセデス）は今季までF1でのレース経験はなく、フリー走行も２回のみだったものの、「１万キロ近い」TPCテストをこなしたと同氏は説明。デビューイヤーの今季は開幕戦オーストラリアGPでいきなり４位フィニッシュし、中国GPではドライバー・オブ・ザ・デイに輝くなど計22ポイントを獲得する上々のスタートを切っている。

　同氏は「メルセデスはルーキーの準備をもっと上手くやり、（ルーキーの実力の）水準を上げた。このことは他のチームも注目すべきことだ」とレッドブルの手法に疑問を呈しつつ、メルセデスがアントネッリにテスト機会を多く与えたことが実を結んでいると称賛した。

　昨シーズン終了後に昇格が発表されたローソンと“虎の子”アントネッリ。チームが提供できた準備期間の差が結果に表れているのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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