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ラグビー

兄は格闘家で弟と妹は大器 ラグビー日本代表の為房慶次朗が探り続ける「最強一家」への道

向風見也

2025.04.05

S東京ベイのプロップを担う為房。日本代表にも選出されている。写真提供:JRLO

S東京ベイのプロップを担う為房。日本代表にも選出されている。写真提供:JRLO

 約7年前、大阪の実家に映像のカメラが来たことがあった。一度でなく「何回か」。その取材風景が載った記事は、いまもインターネットで見られる。

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「懐かし」
    
 件のサイトを見て、23歳になった為房慶次朗が笑う。

 テレビに出たのはアスリート一家だったためだ。自宅のガレージにジムを構えていた。
 

 大阪府に育った3男1女の4人きょうだいのうち、番組でフォーカスされたひとりは末っ子の長女だ。さくらは当時7歳で柔道、ラグビーに長けた。中学生となってからも、浪花闘球娘というクラブで楕円球を追う。

「めっちゃ、でかいです。きょうだいで、僕の次に(背が高い)」

 身長が170センチ台に伸びた妹について語る慶次朗は次男で、その頃、常翔学園高ラグビー部の1年生レギュラーだった。

 日課は牛乳を1日1パック、飲むことだった。

 身体を大きくしたかったのか。少し違った。

「もともと牛乳が好きで、どんどん量が増えていった」

 果たして身長180センチ、体重108キロと堂々たる体格となった。国内トップのリーグワン1部で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの一員としてプレーする。タックル、突進、スクラムで頑丈さを活かす。

 家族の目標を聞かれた。長男の虎太郎はブラジリアン柔術の選手となり、三男の幸之介は慶次朗の母校である明大でラグビーに励んでいるのに触れ…。

「最強一家って、言われるようになりたいです」

 前年度は明大4年だった3月からリーグワンの公式戦でプレー。まもなく日本代表となった。活躍と将来性が買われた。

 ナショナルチームでは10度、テストマッチに出た。強豪国との大一番では大敗も少なくなかったが、世界の厳しさを知れたのは収穫だ。

 最近、日本にも強豪国代表の大物が集まるようになった。ただし同じビッグネームとの対戦でも、リーグワンと国際舞台とでは相手の「鬼気迫るもの」が違うと為房は実感できた。

 国内外のツアーを11月までに終え、リーグワンの新シーズンに臨んだのは昨年12月からだ。

 新たな感触がある。

「日本では経験できないフィジカル(の強さを感じた)。リーグワンで日本人選手にタックルする時に、恐怖心がなくなりました」

 実質1年目に当たるリーグ戦に参加しながら、来夏の代表活動も見据える。

 昨年約9年ぶりに復職したジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチとは、年明け早々に会う機会があった。ボールを持っていない時の動きを指す「ゴールドエフォート」の質が求められた。

「ずっと動き続けることを、意識してやっています」
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