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「前向きな一歩」角田裕毅に専門メディアから祝福や賛辞! 一方で苦戦のレッドブルに不穏な空気を指摘する声も「対立が生まれ、皮肉、辛辣なコメントが飛び交う状態だ」

THE DIGEST編集部

2025.04.15

バーレーンGPで角田がレッドブル昇格後、初のポイントを獲得した。(C) Getty Images

 F1第4戦のバーレーン・グランプリは4月13日に決勝が行なわれ、レッドブルの角田裕毅は9位でフィニッシュし、新天地での初ポイント獲得を果たした。

【動画】角田裕毅が9位に浮上!サインツをオーバーテイク

 フリー走行では苦戦しながらも、予選でQ3進出を果たした角田は、10番グリッドからスタートしたレースで序盤にカルロス・サインツ(ウィリアムズ)を追い抜いてポジションを上げ、オリバー・ベアマン(ハース)との激しいバトルやピットストップ時のトラブルなどもありながら、最終的には9位の座を守り切ってチームに2ポイントをもたらした。

「最高のレースができたと思います。新チームで初ポイントが獲得できて嬉しいです」(フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』より)と喜びを表わした角田に対し、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「ユウキは非常に堅実な週末を過ごした。予選でトップ10入りし、決勝でもポイントを獲得するなど、バーレーンでは本当に良い走りを見せてくれた」(F1公式サイト『F1.com』より)と称賛している。
 
『F1.com』も、「角田はソフトタイヤを28周ももたせた終盤のスティントで、順位を上下させながら奮闘した。サインツとは2度接触し、このスペイン人ドライバーのサイドポッドとリアウィングに接触したものの、どちらの行為に対してもペナルティーは科されなかった。終盤にはしっかりと進化を見せ、最終的に9位でフィニッシュし、レッドブルでの初ポイントを獲得した」と、ポジティブに彼のレースを振り返った。

 もっとも同サイトは、レッドブルのチーム全体については「彼らにとってバーレーンは、厳しい週末となった。どちらのドライバーも際立った速さを見せることはなく、さらに最初のピットストップでは、(ガントリーの配線の問題により)ピットボックスの『ゴー』の信号が不具合を起こし、両車がタイムをロスすることになった」と厳しく総括している。

 専門メディアも同様の見解を示し、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』『CRASH』はいずれも「バーレーンGPの勝者と敗者」と題した記事において、週末を通して苦しみ、王者マックス・フェルスタッペンですら6位入賞が精一杯だったレッドブルを「敗者」に選定したが、同時に角田を「勝者」に取り上げた。

『THE RACE』は、「角田はポイントを獲得したことで、過去6戦でフェルスタッペンのチームメイトが成し遂げられなかったことをやってのけた。華やかなフィニッシュではなかったが、今のレッドブルにとって、それは重要ではない。必要なのは、2台目のマシンがフェルスタッペンになるべく近い位置でフィニッシュすることだけだ。角田は、レッドブルは今季最も競争力を欠いたレースで、間違いなくその条件を満たした」と、彼を称賛している。

『CRASH』も、「レッドブルにとってはかなり苦しい週末となったが、角田は少なくとも、『RB21』への適応という点で前向きな一歩を踏み出し、個人的には満足できる結果を得られたと言えるだろう。鈴鹿で突然放り込まれるような形でトップチームに起用された彼は、バーレーンでははるかに良いパフォーマンスを披露。予選でフェルスタッペンと比べても遜色のないタイムで昇格後初のQ3進出を果たし、決勝ではチームにポイントをもたらした」と、その働きを評価している。
 
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「角田は進化のための正しい道を進んでいる」一方でレッドブルは…