現地4月27日に香港チャンピオンズデーが行なわれ、メインレースであるG1クイーンエリザベスⅡ世カップ(香港・シャティン競馬場、芝2000メートル)は2023年のダービー馬タスティエーラ(牡5歳/美浦・堀宣行厩舎)が制した。しかし一方で、同レースに出走したリバティアイランド(牝5歳/栗東・中内田充正厩舎)が競争を中止。そのあと予後不良で安楽死の処置が施される悲劇が起きてしまった。
【画像】「胸が張り裂ける」海外記者も悲痛の声を上げた川田騎手と”お嬢さん”の一枚
香港の地で三冠牝馬が悲運に見舞われた。リバティアイランドは道中後方から徐々に押し上げていき、最後の直線に向いたが本来の末脚は伸びず。逆にズルズルと急失速していき、ゴール手前で同馬は競走を中止した。
故障を発症したのは明白。川田将雅騎手がすぐに下馬したが、痛々しい姿をみせるパートナーに同騎手はどうすることもできず、鼻面に顔をつけて必死に慰める。まるで涙を流すような仕草に最前列にいた地元ファンからは「No...」と悲嘆に暮れる声が漏れるほど事態は深刻だった。
ただ事ではない雰囲気に競馬場は騒然。すぐに関係者が応急処置を施し、名牝は馬運車で搬送された。
レース後、同馬が所属するサンデーサラブレッドクラブはホームページ上で左前脚の種子骨靭帯の内側と外側の断裂と球節部の亜脱臼により、予後不良で安楽死の処置が施されたと発表。瞬く間にSNSやネットを中心に競馬ファンから悲しみの声が相次いだ。
日本の競馬史において、三冠牝馬がレース中の故障で命を落とすのは、これが初めて。名牝を襲った悲報は日本だけでなく、海外の競馬ジャーナリストからも悲しみの声が届いている。競馬専門のフォトグラファーで世界最高峰の凱旋門賞(フランス)や英国ダービー、ドバイワールドカップなど世界中のGⅠレースで名馬を撮り続けたエバース氏は「このレース(クイーンエリザベスⅡ世カップ)はリバティアイランドの喪失により、暗い一日となってしまった。ただただショックである」と自身のXに悲痛な文章を綴った。
他にも南アフリカの競馬フォトグラファーであるチェイス・リーベンバーグ氏はドバイ中心部にあるメイダン競馬場を駆けるリバティアイランドの写真を添え、「この素晴らしい牝馬、リバティアイランドに安らぎを。あなたを撮影できて私はとても光栄でした...」と哀悼の意を示す。英国の競馬専門放送局『Sky Sports Racing』は下馬直後の川田騎手とリバティアイランドの写真を投稿。「胸が張り裂けそうだ」と紹介し、「トリプルティアラのヒロインよ...安らかに眠っておくれ」と追悼した。
川田騎手とリバティアイランドはデビューから11戦(5勝)すべてタッグを組み2歳女王に輝くと、翌年の桜花賞、オークス、秋華賞を制覇。川田騎手が馬上で「ありがとう、お嬢さん」と語りかけるほど厚い信頼を寄せ、人馬を超えた絆を築いていた。
海外記者の間でも、日本の三冠牝馬の安楽死は小さくない動揺を与えている。
構成●THE DIGEST編集部
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故障を発症したのは明白。川田将雅騎手がすぐに下馬したが、痛々しい姿をみせるパートナーに同騎手はどうすることもできず、鼻面に顔をつけて必死に慰める。まるで涙を流すような仕草に最前列にいた地元ファンからは「No...」と悲嘆に暮れる声が漏れるほど事態は深刻だった。
ただ事ではない雰囲気に競馬場は騒然。すぐに関係者が応急処置を施し、名牝は馬運車で搬送された。
レース後、同馬が所属するサンデーサラブレッドクラブはホームページ上で左前脚の種子骨靭帯の内側と外側の断裂と球節部の亜脱臼により、予後不良で安楽死の処置が施されたと発表。瞬く間にSNSやネットを中心に競馬ファンから悲しみの声が相次いだ。
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川田騎手とリバティアイランドはデビューから11戦(5勝)すべてタッグを組み2歳女王に輝くと、翌年の桜花賞、オークス、秋華賞を制覇。川田騎手が馬上で「ありがとう、お嬢さん」と語りかけるほど厚い信頼を寄せ、人馬を超えた絆を築いていた。
海外記者の間でも、日本の三冠牝馬の安楽死は小さくない動揺を与えている。
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