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モータースポーツ

「もう少し時間が欲しい…」ロッシ引退危機か!? 2021年以降を見据えたヤマハのMotoGP戦略とは?

甘利隆

2020.02.02

来年の体制が発表されていく中、ロッシとヤマハとの契約は不透明な状態だ。(C)2019 YAMAHA MOTOR RACING SRL

来年の体制が発表されていく中、ロッシとヤマハとの契約は不透明な状態だ。(C)2019 YAMAHA MOTOR RACING SRL

 ヤマハ・ファクトリーが、マーベリック・ビニャーレスとファビオ・クアルタラロのコンビで2021~22年シーズンを戦うことを異例の早さで発表し、ホルヘ・ロレンソがテストライダーに就任することが明らかになる等、ヴァレンティーノ・ロッシの周囲は「すわ、引退か!? ヤマハでの居場所がなくなるのでは?」と騒がしさを増している。

 かねてから注目を集めていたロッシの去就だが、これらの決定はヤマハが功労者ロッシの意向を尊重しながらも21年以降のMotoGPの戦略を熟慮した結果といえる。当初ヤマハは20年初頭に現役続行するか否か回答を求めていたが、「もう少し時間が欲しい。最初の数レースを走ってから判断したい」という“THE DOCTOR”の希望を受け入れ、一旦交渉を終了したのだという。具体的には第7戦、ムジェロでのイタリアGPで何らかの決断を下される模様だ。

 ロッシがヤマハでの現役続行を希望した場合、サテライトのペトロナス・ヤマハで走ることが最も現実的な選択となるが、これまでと同様のサポート体制が約束されている。20年のペトロナスにはすでにファクトリースペックのマシンが供給されることになっており、「ペトロナスも悪くないと思うけどね」と昨年中から含みを持たせた発言をしていた。
 
 幼少時代からの親友で現在もロッシをサポートする“ウーチョ”ことアレッシオ・サルッチもイタリアメディアに「ペトロナスで走らないか? というオファーは確かにあったよ。でもヴァレはもっと様子を見たいと言ったんだ」とその可能性を認める発言をしており、ロレンソがテストライダーになったことについても「ヴァレのため、彼のようにヤマハをよく知り、5回もチャンピオンになった経験豊富な存在がいるのはうれしいこと」と落ち着いてコメントしている。

 一方でロッシサイドが125cc、250cc時代にタイトルを獲得したアプリリアと接触したという話も出ている。現在はグレシーニ・レーシングに運営を委託しているかたちのアプリリアだが、21年でグレシーニとの契約が切れ、22年からファクトリー体制で参戦するとの説があり、ドゥカティで頓挫した母国イタリアメーカーでの最高峰クラス王者獲得を目指すというのもロマンのあるオプションだろう。
 

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