モータースポーツ

ローランドがホーム初制覇のニッサンに敬意「チーム一丸で小さな改善を積み重ねた結果」アタックモード戦略には「本当にギリギリ」【フォーミュラE】

谷健生(THE DIGEST編集部)

2025.05.18

ニッサンの努力に称賛を送ったローランド(右)。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 オリバー・ローランド(ニッサン)は5月18日に行なわれた電気自動車(EV)レースの世界選手権「フォーミュラE」の第9戦、東京E-PRIXの決勝レースでポールポジションから見事優勝を飾った。

 昨季から始まった東京E-PRIXで、過去2戦ともポールポジションからレースをスタートしながら、いずれも2位に甘んじていたローランド。3度目の今回もポールからレースをスタートさせ、他車と異なるアタックモード(通常より50kW高い出力を一定時間得られるモード)の戦略を採りながら、気迫あふれるオーバーテイクなどで一時6位のところからトップに返り咲いた。

【画像】オリバー・ローランドが東京E-PRIX全てで1番グリッド!「フォーミュラE」第9戦の予選を厳選ショットで特集!
 レース後に「ついに勝てて本当に嬉しい」と笑みをこぼしたローランド。勝敗を分けた要因のひとつである2度目のアタックモードのタイミングについては、「比較的早めに使うリスクもあり、かなり多くのエネルギーを消費した。(エネルギー残量が)本当にギリギリだったので、(エネルギー消費が比較的セーブされる)セーフティカーの出動に助けられたよ」と明かし、「前の2戦はツイてなかったけど、今日は運が味方してくれたね」と振り返った。

 さらにローランドはホーム大会で念願の初優勝を成し遂げたニッサンにも言及。「チームに大きな敬意を表すよ。私が加入した昨季以前は再建中だった。そこから今季にかけてパッケージを大きく改善できたおかげで、より簡単に戦えるようになった。チーム一丸となって本当に小さな改善を積み重ねてきた結果だ。本当に感謝している」とチームの成長を喜びつつ、これまでの努力を称賛した。

 今回の勝利で2位と77ポイント差と首位独走を続けるローランドだが、ドライバーランキングはあまり気にしていないという。

「今週末のレースに集中していた。一貫して(目の前の)レースにフォーカスしたいと思う。まだシーズンの半分ほどしか終わっていない。リードはかなり大きいけど、ここで最も避けたいのはランキングについてあれこれ考え始めること。今のところはいつも通り次のレースで良い結果が出せるように努力を続けるだけだよ」

取材・文●谷健生(THE DIGEST編集部)

【画像】マセラティのバンドーンが逆転優勝!「フォーミュラE世界選手権」第8戦・東京E-PRIXを厳選ショットで特集!

【画像】巧みな戦略で華麗に大逆転!東京E-PRIXで見事優勝を飾ったマセラティのストフェル・バンドーン!

【動画】角田裕毅のマシンがクラッシュで宙を舞う"衝撃の光景"