バレーボール男子日本代表の主将・石川祐希が、欧州制覇の金字塔を打ち立てた。

　現地５月16～18日にかけてポーランド・ウッチ市で、欧州ナンバー・１クラブを決定する2024-25シーズンCEVチャンピオンズリーグ（CL）ファイナル４が開催された。石川が所属するイタリアリーグのシル シコマ モニーニ・ペルージャは、初日に行なわれたハルクバンク・アンカラ（トルコ）との準決勝をストレートで突破。最終日の頂上決戦でポーランドリーグのアルロンCMCワルタ・ザビエルチェに、セットカウント３－２（25-22、25-22、20-25、22-25、15-10）で競り勝ち、クラブの悲願であった欧州バレーボール界の頂点に立った。中心選手として大きな活躍を見せた石川は、日本人男子として史上初となる欧州覇者の称号を手にした。
【動画】日本男子バレー初快挙！石川祐希が欧州CL制覇に貢献
  　イタリアから唯一のクラブとして４強入りしたリーグ３位のペルージャは、準決勝でトルコリーグ８位のハルクバンク・アンカラを完勝で退けて決勝進出。椎間板ヘルニア術後のミドルブロッカー（MB）イタリア代表ロベルト・ルッソと、一週前にふくらはぎを負傷したアウトサイドヒッター（OH）ポーランド代表カミル・セメニウクの主力２選手を欠くなか、試合最多19得点を挙げて、直近の出場４回でクラブにとって鬼門であった準決勝突破の立役者を演じた石川が、決勝でも先発メンバー入り。司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリ、MBのアルゼンチン代表アグスティン・ロセル、OHオレフ・プロトニツキ（ウクライナ）らとともに大一番へ挑んだ。

　ポーランドリーグ準優勝のザビエルチェは、同リーグでレギュラーシーズン首位のJSWヤストシェンブスキ・ヴェンゲルを２セットダウンからの大逆転で退けて決勝に駒を進めた。パリ五輪初戦で日本代表に黒星を強いたドイツ代表の指揮官でもあるミハウ・ヴィニャルスキ監督が率いるチームは、米国代表OHアーロン・ラッセル、ポーランド代表のMBマテウシュ・ビエニエクとオポジット（OP）カロル・ブトリンらを擁し、準決勝では元同国代表のOHバルトシュ・クフォレクが24得点を叩き出した。

　１万人を越える観客に埋め尽くされ超満員のアトラス・アリーナは、その９割以上がザビエルチェの勝利を願う地元ポーランドのバレーボールファン。ペルージャにとって完全アウェーの会場で、決勝の幕が切って落とされた。