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バレーボール

【現地取材】石川祐希が日本男子バレー初快挙! “有言実行”を完遂したペルージャの欧州CL制覇「勝つためにここに来た」

佳子S.バディアーリ

2025.05.23

チーム2位の得点を挙げた石川(中央)。欧州CL制覇に貢献した。(C)Confédération Européenne de Volleyball

チーム2位の得点を挙げた石川(中央)。欧州CL制覇に貢献した。(C)Confédération Européenne de Volleyball

 第1セットの開始から間もなく、石川はブロックでリードをもたらすと、サーブでブレークに貢献。中盤の入りに相手のエースとジャンネッリの返球ミスで点差を詰められた場面でも、フェイントでサイドアウトを奪い、嫌なムードを立ち切る。後半には、好守を連発させた後、レフトからの完璧なクロスで2点差を死守。セメニウクと替わりコートアウトした終盤、リリーフサーバーのキューバ代表ハイメ・エレーラのエースで相手を突き放してペルージャが試合を先行した。

 第2セットは僅差で追う展開が続いたペルージャは、スタートからコートへ戻った石川が超インナー弾や遅れた相手ブロックを巧みに使って序盤に2得点。1セット目にブロックが機能したペルージャだったが、ザビエルチェにフェイントとプッシュで対応されて中盤にはビハインドが3点へ開く。しかし、終盤に石川が奮闘。鮮やかなレフト攻撃で猛攻のスイッチを入れると、元チュニジア代表OPワシム・ベンタラの2連続エースに続き、スペースへ流し込む打球で23-21へ逆転。さらにサーブでたたみ掛け、相手の誤打を誘いセットポイントを奪取する。ラッセルのレフト攻撃に1度目のチャンスを回避されるが、ビエニエクのサーブが大きくコートを外れてペルージャが優勝へあと1セットとした。

 しかし、準決勝のほか国内プレーオフでも複数の試合でフルセットを勝ち切ってきた難敵ザビエルチェが息を吹き返す。第3セットは、一歩前に出たまま試合を進めたペルージャだったが、終盤の入りにレセプションの乱れから3連続失点に見舞われて後退。石川がレフトから2打を沈めて健闘するも、形勢は変わらずこのセットを献上した。
 
 4セット目も一進一退を繰り返して終盤へ。ペルージャは、レセプションの直後にノールック弾で18-17とした石川を一度ベンチへ下げてセメニウクを起用。21-21で前衛へ再投入された石川は、ネット際の押し合いをものにし、守備でも力闘するが、最終局面で放ったクロス方向への打球がアウトになった後、ラリー1打目を拾われてタイブレークへ持ち込まれた。

 運命の最終セットをベンタラのエースでスタートさせたペルージャは、続く石川のサーブが相手レセプションを粉砕する。ジャンネッリのダイレクトとブロックを引き出すとザビエルチェはやむなくタイムアウトを要求する。それを意に介さずに再び強烈なサーブをお見舞いして、今度はロセルのブロックが決まり5-1。石川のサーブが引き寄せたこの3連続ブレークが勝利への足掛かりとなる。ペルージャはブロックの指先を狙われ一時巻き返しを許すも、元アルゼンチン代表のベテランMBセバスティアン・ソレの2打と石川のブロックアウトで突き放す。

 そして、試合を決定づけたのも石川だった。まずは、後方から上がったハイボールをコーナーへ沈めて13-10とした直後、9メートルラインからブレークをもたらしてマッチポイントを握る。最後は、あわやエースの強烈なサーブで相手レセプションを苦しめてラリーへ持ち込むと、レフトからプロトニツキが放ったストレートへの打球がザビエルチェのコートに吸い込まれ、ペルージャが初の欧州王者の座を手中に収めた。
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