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バレーボール

【現地取材】欧州CL初制覇の石川祐希を直撃! 日本男子バレー初快挙に感激も漏らした“本音”「MVPを獲れる活躍ができなかった」

佳子S.バディアーリ

2025.05.24

欧州CL制覇を果たした石川。カメラ目線で金メダルを噛んだ。写真:佳子S.バディアーリ

欧州CL制覇を果たした石川。カメラ目線で金メダルを噛んだ。写真:佳子S.バディアーリ

 日本男子バレーとして初の欧州制覇を成し遂げた日本代表の主将・石川祐希。歓喜の優勝セレモニー直後、インタビュー取材を敢行した。

 石川がイタリアリーグ10季目に初出場を叶えた欧州最高峰の大会CEVチャンピオンズリーグ(CL)。新天地に選んだペルージャにとって、栄冠を手に入れていない唯一の大会だった。
 【動画】日本男子バレー初快挙!石川祐希が欧州CL制覇に貢献

 ポーランドで3日間にわたり準決勝と決勝が開催された「ファイナル4」の目前、先発争いで石川の半歩前を行くアウトサイドヒッター(OH)ポーランド代表カミル・セメニウクがふくらはぎを負傷。対角OHのオレフ・プロトニツキも本調子に届いていなかった。

 ペルージャのジーノ・シルチ会長は準決勝前の会場で談話した際、CL初優勝は「イシカワの活躍にかかっている」と、日本人選手をキーマンに挙げた。そして、石川は準決勝で両チーム最多19得点を挙げてストレート勝利の主役となり、激闘の決勝では20得点のほかタイブレークで勝機を呼び込み、チームを欧州王座へとけん引。大仕事を完遂し、会長の言葉を現実にしてみせた。
 
■決して万全ではなかったチーム状況。責任や重圧はなかったのか?
「責任はそんなにすごく感じてはいなかったです。しっかりとプレーすることが重要だったので。準決勝に関してはプロトニツキ選手が当たっていなかったので僕が結構打ってましたけど、決勝の彼は非常に良かったです。サーブはまだ彼本来の出来ではなかったと思いますけど、後半のスパイクは非常に良かった。彼に助けられた部分もあるし、(オポジットのワシム・)ベンタラ選手も非常にいい決定率でした。ブロックが全部、こちらに来て向こうが1枚になったというところもありましたけど、ハイボールに関しては基本的に僕たちはアウトサイドが打つようなシステムになっているので。苦しいところでしっかりとリバウンドを取ることだったり、集中力を切らさずにプレーを続けることが大事だったので、それを最後までやりきれたと思います」

■リーグ連覇を逃したが、CLファイナル4では劣勢を跳ね返すシーズン前半のような強いペルージャが戻れたのでは?
「全て勝つのはやっぱり難しいですし、すぐ切り替えるというか(負けたことも)自分たちの結果なので。それを受け止めてプレーオフの3位決定戦でしっかり勝ったことで、切り替えられたかなと思います」

■今季はこれまでと比べて出場時間が減少した。ストレスはあったか?
「試合に出る時間が減るのは分かっていてペルージャに来たので、気にしていないです。プレーオフの時は、なかなか出る機会がないなか出場した時にすぐ結果を出さなければいけなかったので、その辺の難しさはもちろんありました」

「僕が一番大事にしているというか、今シーズン良かったと思っているのは、(試合に)出ないことが多かったなかで、『これ勝ったら、これ負けたら...』っていう大事な試合は全部出場していること。結果が良かった悪かったはありましたけど、スーペルコッパは準決勝と決勝に出て優勝して、コッパイタリアの準決勝とプレーオフ(3位)も準決勝5戦目に出て、負けたら終わりっていう時の試合は全部経験したので、それは一番の収穫だったかなと思っています。そこで結果が出なかった、出せなかったというのは、実力というのはもちろん感じていますし、もっと強くならないといけないということがありますけど、コートに立つことがやはり大事だと感じています。そういった試合でコートに立てたのは僕からしたらラッキーでしかないですけど、それでも試合でコートに立っていくという経験を今シーズは味わったので。来シーズン(出場機会をさらに増やせるよう)取り組んでいきたいなと思います」
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