卓球

戸上隼輔/篠塚大登が完遂した日本勢64年ぶりの快挙。大会公式が「感動の渦に包まれた」と涙した試合直後の行動【世界卓球】

THE DIGEST編集部

2025.05.26

男子ダブルスで日本勢64年ぶりの金メダルに輝いた篠塚(左)と戸上(右)。(C)Getty Images

 現地5月25日、卓球の世界選手権(カタール・ドーハ)は男子ダブルス決勝が行なわれ、世界ランク5位の戸上隼輔(23)/篠塚大登(21)ペアが同11位の高承睿/林昀儒(台湾)ペアに3-2(6-11、11-5、7-11、11-6、11-6)で逆転勝ち。悲願の金メダルに輝いた。この種目での日本勢の優勝は64年ぶり。快挙を成し遂げた若きペアに海外から称賛の声が上がっている。
【動画・画像】歓喜の抱擁...金メダル獲得直後の実際の映像。涙するコーチと感動の3ショット

 第1ゲームは日本ペアが前半をリードしたが、自分たちのミスから立て続けに6連続失点を喫し、台湾ペアに先取される。

 悪い流れだったが第2ゲームは見事に立て直し、押し切ってタイに戻す。しかし第3ゲームは今大会中国ペアから2勝を挙げた台湾ペアが反撃。戸上、篠塚は攻めの形をつくれず6点のビハインドを追う。激しいラリーの打ち合いから連続得点で点差を詰めたが、最後は相手のカウンターに屈しゲームを落とした。

 崖っぷちに立たされた戸上と篠塚だったが、ここから底力をみせる。サーブで相手のレシーブミスを誘い、ラリーでは戸上が強烈なフォアを炸裂。さらに篠塚も強気に攻めて、再びゲームカウントを追い付く。

 勝負が決まる最終ゲーム。戸上、篠塚がともにフォアで果敢に攻めていき先手を奪う。互いに1点ずつを取り合い、日本は攻めの姿勢を貫き有利に試合を進める。そしてチャンピオンシップを先に握り、最後は相手のボールがオーバーとなり日本が劇的な勝利を掴んだ。
 
 決着がついた瞬間、戸上は両膝を床につけて「しゃあああ!」と絶叫。篠塚は両手をゆっくり挙げたあと、応援席で声援を送った日本チームに向かって「よーーし!」と右手で渾身のガッツポーズで応える。死闘に終止符が打たれ、2人は熱い抱擁を交わした。

 世界卓球の男子ダブルスで実に64年ぶりとなる日本勢の優勝は大会公式サイトも驚きの反応を示している。『World Table Tennis(WTT)』のXは試合直後のシーンを投稿。文面には、「世界の頂点だ。ヒロト・シノヅカとシュンスケ・トガミが歴史に名を刻んだ瞬間を目撃せよ!」と綴られ、感動の抱擁シーンまでしっかりカメラに収めた。

 さらに別の投稿では、プロレス好きの戸上が元新日本プロレスのオカダ・カズチカ(米AEW)を真似た「レインメーカーポーズ」を含む厳選カット4枚をアップ。64年ぶりの快挙は「感動の渦に包まれた」と記し、その偉業を称えた。

 昨年のパリ五輪団体戦では3位決定戦で地元フランスに敗れ、涙を呑んだ。その無念を晴らすかのような戦いぶりでファイナルに進出した2人は、カタールの地で世界の頂点に立った。

構成●THE DIGEST編集部

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