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競馬

【名馬列伝】“天才を天才にした”スーパークリーク。オグリキャップ、イナリワンと「平成三強」を形成した稀代の名ステイヤー

三好達彦

2025.07.11

史上最年少クラシック制覇を果たした武豊。スーパークリークと宿命づけられた菊花賞Vを成し遂げた。写真:産経新聞社

史上最年少クラシック制覇を果たした武豊。スーパークリークと宿命づけられた菊花賞Vを成し遂げた。写真:産経新聞社

 オグリキャップ、イナリワンとともに「平成三強」を形成し、2000~3200mをフルにカバーしながら一時代を築いた名ステイヤー、スーパークリーク。彼は若き武豊をスターダムに押し上げた存在でもあった。

【動画】スーパークリークが若き武豊を“天才にした”伝説のレース

 スーパークリークの父ノーアテンションは、ノーザンダンサー系種牡馬グリーンダンサーの直仔。障害競走を経験してから平地競走に転じた変わり種で、リステッド競走にしか勝ち鞍は無いが、1982年にドイツのオイロパ賞(G1)で2着に食い込んだことがあった。現役引退後は日本で種牡馬入りし、スーパークリークはその初年度産駒だった。

 当歳のセリ市で主取り(※購買者がいないこと)となり、1歳夏のセリ市でも買い手が付かなかった。しかし、スーパークリークをセリに上場する前から見て、素質の一端を感じ取っていた調教師の伊藤修司は、旧知の間柄であった馬主の木倉誠に本馬の購買を進言。秋のセリ市に3度目の上場を果たした際に、木倉はお台の800万円にひと声10万円を積み上げただけで落札できた。のちの活躍を見れば、これは相当な買い得だったことが分かる。
 
 2歳の夏シーズンを目指して函館競馬場に入厩したものの、体調を崩したためにいったん退厩。牧場で立て直してから栗東トレーニング・センターに再入厩し、12月の阪神開催でデビューすることになった。

 新馬戦(阪神・芝2000m)は直線で内へもたれながらも2着とし、中1週で臨んだ同条件の折り返し新馬戦では後方から徐々に位置を押し上げると、先団をきっちりと差し切って初勝利を挙げた。この2戦で手綱をとった田原成貴は、スーパークリークに「いずれ大化けするかもしれない」という感想を漏らしていたという。

 翌1988年はクラシックを目指したものの、福寿草特別(400万下、現1勝クラス)が4着、きさらぎ賞(GⅢ)が3着に終わり、事実上、皐月賞への出走は断念せざるを得なくなる。そして武豊を鞍上に迎えて臨んだすみれ賞(OP)を快勝するが、日本ダービー(GⅠ)の出走権をかけて挑む青葉賞(指定OP)へ向けての調教中に左前肢の骨折を発症。ダービー出走への可能性も潰え、秋シーズンでの復帰に目標を切り替えて休養に入った。

 陣営の目論見通り、約6か月の休養を経て戦列に復帰したスーパークリーク。初戦の神戸新聞杯(GⅡ)を3着とし、ひと叩きして調子を上げながら、優先出走権を得るためにトライアル競走の京都新聞杯(GⅡ)へ出走。陣営は権利獲得に自信を持っていたが、直線へ向いてガクエンツービートの鞍上が振るうステッキが何度もスーパークリークの顔面に当たるという不利を受けたこともあって6着に敗れ、優先出走権を取り逃がしてしまった。

 その結果、スーパークリークの菊花賞出走に向けての収得賞金の順位はガクエンツービートと並んで19番目となり、回避馬が出なければ不可能な状況に陥った。
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