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競馬

【名馬列伝】“マルゼンスキー超え”を果たしたリンドシェーバー 「マル外ブーム」の着火剤となった90年代の超快速馬

三好達彦

2025.07.21

朝日杯3歳Sを制したリンドシェーバー。写真:産経新聞社

朝日杯3歳Sを制したリンドシェーバー。写真:産経新聞社

 1970年代、桁違いのスピードで日本の競馬シーンに強大な衝撃を与えたマルゼンスキーの出現から10年余。折から巻き起こったバブル景気によるカネ余りを背景にして、1990年代の中央競馬には空前の“マル外(外国産馬)ブーム”が訪れる(現在の基準でマルゼンスキーは「持込馬」となるが、当時のルールでは「外国産馬」として扱われた)

 そのブームの着火剤となった外国産馬がいる。父に名種牡馬アリダー(Alydar)を持つ鹿毛米国産、リンドシェーバーがその馬だ。

【動画】“伝説超え”を果たしたリンドシェーバーの会心レース

 アリダーは現役時代に6つのG1レースを制したほか、米三冠レースでいずれもアファームドの2着に入った伝説的名馬。種牡馬となってからは、アリシーバ、イージーゴア、ストライクザゴールドなどのクラシックホース、またはブリーダーズカップ優勝馬を出し、1990年には北米リーディングサイアーに輝く大成功を収めた。

 そして、米国の重賞勝ち馬の母ベーシィド(Bersid、父Cool Moon)の2番仔として当地のカルメットファームで1988年に1頭の牡馬が生を受ける。この馬はキーンランド社のジュライセールにおいて52万5000ドル(当時の為替レートで約6700万円)で日本の法人オーナーである㈱デルマークラブ(カーレースのサーキット、㈱『日本オートポリス』の元経営者・鶴巻智徳が代表者)によって落札される。これが、のちのリンドシェーバーである。
 
 競走を目的とする軽種馬の輸入には340万円の関税がかかるため、海外のセールで売買されるサラブレッドを輸入する日本のオーナーは限られていたが、㈱デルマークラブの思い切った決断がのちの日本競馬に一つのトレンドを生むほどの影響を与える。

 1989年、1歳の12月に日本へ到着したリンドシェーバーは検疫を経て千葉県の下総トレーニングセンターへ入厩。そこで基礎的な調教を積み、1990年の3月に預託先となる美浦トレーニング・センターの元石孝昭厩舎へと入厩した。
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